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未知倶楽部コラム

地域の固有性についての雑感

2006年6月14日

久しぶりに筆を執らせて頂きます。

駅長さんコラムが日に日に活況を呈するのを横目で見ながら、未知倶楽部からのコラム発信が滞っていることをお詫びします。

私始め室員は毎日色々なところへ飛び回っております。北海道、北関東、近畿、四国、九州。。。。ここ3週間で訪問したブロックです。道の駅、地域の皆様との関係作りは、インターネット、電話、Faxでは出来ません。

皆様の暮らしている‘場’にお邪魔して(お忙しいとは思いますが)直接道の駅の駅長様、行政の方とお話をするなかで関係を築き上げたいと思っている次第で、私たちは愚直なまでにもこれを続けるつもりです。

皆様のところへお伺いしますと、先ず私たちの方から、道の駅を核とした地域の取り組みのあり方について、未知倶楽部の考えを説明をさせて頂きます。ホームページでも紹介しておりますが、地域で眠っている資源を発掘して地域を愛する人たちへ提供し、その行為のなかで地域へ資金が落ちる仕組みを作ることとか、地域間連携の必要性とか。。。
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私たちは遠路東京から参りますので大概一泊はしなければなりません。時々駅長さんと一緒にお酒を酌み交わしながら地域の人の想いを聞かせていただくことがあります。

そのなかで、時々ふと思うことがあります。
この問題は自分達地域の固有の問題で。。。。というご発言をお聞きする時です。

私自身の話をします。
東京で生まれ、父の仕事の関係で8歳から12歳までニューヨークで生活、東京へ帰国して3ヵ月後には父の新たな転勤先である名古屋市へ引っ越し、中学、高校時代を同市で過ごす。東京の予備校から大学へ。それ以降は基本的に東京。その後は自分の仕事の関係で北アフリカのアルジェリアへ駐在、その後パリ駐在。短期出張でいえば中近東、アフリカ、中国、ロシア、CIS等、主に開発途上国を中心に回っておりました。

多種多様な人種、宗教、文化と接していていつも思うことは、世界的規模で考えれば人と人との間では異質性は明らかに存在し、絶望的なくらいに異質なもの同士でぶつかり合い、そして時には血を流す。異質性が故に、人を差別し、蔑み、そして時には誉めそやすこんな姿を子供のころからリアリティーとして体験してきました。

しかしこの連綿と続く絶望感のなかで、人は相手を認め、相手と連携することも学ぶ。

これが絶望のなかで学ぶ英知です。

日本国内において、地域固有の問題は確実にあります。大都市と地域との所得格差、社会環境の違い。寒冷地と中山間地の苦労。国の産業政策転換から取り残された地域。地場産業の自信喪失。

しかし、私はこう思います。

地域固有の問題は確かに存在していても、同じ言葉を話し、共通の食文化を持ち、季節の変化を敏感に感ずる共通感性を持つ日本人同志であれば、固有の問題から昇華し、共通の問題として捉えることができると。そして協働し発展してゆくことが可能である筈だと。

そのためには語り合う必要があります。何も私たちとだけではなく、地域の人と地域外の人同志が、です。

九州の道の駅の代表が北海道の道の駅代表と語り合う。東北の道の駅の代表が中部の道の駅の代表と語り合う。

そうすることによって初めて、地域固有の問題がもっと広い次元で捉えられそして色々な問題が解決するのではないかと信じております。

既に告知しておりますとおり、7月10日、東京で道の駅フォーラムを開催します。愛媛、岐阜、山口、大分の道の駅の代表が各地域でのご苦労を乗り越え新しい試みをしている事例を発表して下さいます。
是非、色々な意味での交流の契機にして頂きたいです。

執筆者

未知倶楽部室 室長 賦勺尚樹

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