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未知倶楽部コラム

未知倶楽部活動に対する決意

2006年03月

道の駅が初めて登録されたのが平成5年。それ以来12年が経過しました。第1回の登録時には103箇所だった駅の数は、現在800箇所を超えています。12年前と比べれば、道の駅の数が増えただけではなく、あらゆる社会情勢が変わり、人の心も変わりました。それに伴い、道の駅の利用者や道の駅をとりまく地域の人たちが、道の駅に対して求めるモノやコトも変わってきています。至極当然のことです。

この変化に対応しようと必死に挑戦を続ける道の駅が数多くあります。その一方で、どのような理想像を追い求めてゆくべきか定まっていない道の駅も多いことと思います。

私たちは去る平成17年10月31日に「道の駅価値創造セミナー」(株式会社日本総合研究所主催)に出講致しました。道の駅の創設に関わられた岩井國臣国土交通副大臣(当時)から、道の駅が秘めている可能性についてご講話を頂戴しました。また、独自の手法で新しい価値を生み出そうとしている遠野風の丘、どんぶり会館、枇杷倶楽部の各駅長さんのお話も興味深く拝聴しました。地域のために、そして利用者のために、道の駅は本当の意味でどうあるべきなのか、それを本音で語り合う必要性を強く感じております。

セミナーの後の懇親会では、多くの道の駅の代表の方とお話をさせていただきました。「セミナーを聞いて、道の駅の明るい将来を確信することができた」「儀礼的な会合ではなく、実態の取り組みについて話を聞ける機会を待ち望んでいた」等、肯定的な意見を数多く承りました。道の駅の新しい姿を論ずる土壌は、次第に醸成されつつあります。

道の駅は公共の財産です。国土交通省をはじめとする関係諸機関の高い見識によって設置され管理・運営されている、貴重な国民の財産です。

そのような道の駅を、“無駄な公共事業”として指弾したり軽視したりする人がいます。私たちは決してそのような考えに賛同しません。万にひとつでも、そうした主張に理があったとしても、既に多くの道の駅が存在することは厳然とした事実です。そして、地域住民にとって、道の駅を愛する利用者にとって、かけがえのない存在となっているのもまた紛れもない事実です。

私たち未知倶楽部は、良識ある国民の一員として、道の駅の価値を高めるために、英知を絞って取り組むことを自らの責と課しています。そして、この責務を実践する手法・・・それは“ビジネス”に他なりません。高い倫理観に基づいたビジネスによってのみ、私たちの取り組みが現実の事業として結実しうるものと確信しています。

道の駅の施設の価値は、時間とともに減耗します。駐車場も、トイレも、上屋も、使用されることを通じてその資産価値が日に日に低下します。資産価値の維持のために投資が必要とされる所以です。しかし、道の駅が単なる“施設”を越え、たくさんの人との関わりあいを持つ“場”となれば、そこから無尽蔵に新たな価値が生み出されることでしょう。この価値を、自律性と持続可能性とをもって実現する方法は、透徹した倫理に基づくビジネス以外にありえません。

道の駅をよりよい場所とし、道の駅全体の価値を高めてゆくために、私たち「未知倶楽部」は今後ともあらゆる事業に取り組んで参る所存です。道の駅に携わっておられる方々、道の駅をとりまく地域の方々、道の駅を利用なさる方々、関係諸官庁・諸機関の方々、皆様におかれては、私たちの取り組みを温かくお見守りいただきたく、この場を借りて心よりお願いを申し上げます。

執筆者

未知倶楽部室 室長 賦勺尚樹

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