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未知倶楽部コラム

これからの特産品に求められるもの<後編>

2007年01月23日

<前編>からつづいて...

 今、マーケティングは、生々しい現場から発信する場面情報 {オンザスポット情報} を求めています。それは決して固まったものではなくて、そこから何か新しい発想が次々に出てくるシステムであることが必要です。
例えば、地方の物産では、手づくりの素朴さ、無添加、無着色、量販店にない個性、高品質、懐かしさ等の素材の優位性が大変評価されています。また、今日までの大量生産型加工食品の生活の中にあって、自然豊かな各地で得られた天然素材を生かした物が、地方物産であると思います。
その反面、入手しづらい、割高に感じる、物産情報の不足、利用法が限られる、センスが悪い等のデメリットもあげられます・・・・・。

道の駅あさご近くの竹田城址 (クリックすると拡大します。)
 朝来市の、自然条件に魅せられた地域性を生かして、特産品づくりに地域づくりで取り組む姿や、地域と行政が一体となり、地場産業の振興を始めとした地域経済の活性化、個性的な地域づくり、夢づくり、郷土の涵養に積極的に取り組む姿は、まさに大地を思わせる“肝っ玉母さん”のようです。

 これからの観光には、どの市町村でも必ず持っているPRすべき素材をいかに使っていくかが求められています。 現在は、せっかくの素材があっても素材そのものに依存してしまって、ただ景色(素材) を観てかえってくるだけになっています。

 今の観光(サイトシーイング)は、ハードでありソフト部分が欠けていると思います。つまり、行って一度見たら終わりで、次の観光に移ってしまっているのです。そうではなくて、今後観光ソフト用意して人を出迎え、行った人がそこに二日で三日でもとどまって、自分の生活文化が高まって帰ってくるという観光ソフト(その人の知識になるのではなくて、やがて知性または知識となる) が新しいライフスタイルとして必要になるのではないでしょうか。
 ここで大切なのは、人であり、ビジターに対するおもてなしの心(ホスピタリティ)であり、決して一期一会を忘れてはならないと思います。

 当駅は、特産品及び観光開発を目的としており、但馬3市2町、播州、丹波の特産品を販売しております。 各地の特産品は、それぞれに特徴を持った個性的な商品であり、地域での生活感と郷土の味がにじみ出ていて、その地域での思いやりと優しさが一つの技を興し、自分の住んでいる町を愛するがゆえにできあがった自慢の産品ばかりです。
 そのために利用者は物に対しての見方があります。
1.製品としての顔、 2.商品としての顔、 3.特産品としての顔があり、 特産品とは、人間が集団で日常生活を営んでいく中、地域の素材を生かして、 知恵と技と工夫を重ねて出来上がった自慢のブランド商品であり、 今日に至っているのだと思います。

 以上のような点を考慮すると、今現在は「見直しの時代」です。 大量生産や機能本位だった時代が過ぎて、あらゆる面で人間性をも見直していく時代です。 私は、昭和63年から第三セクターに関わりを持ちながら勤めていますが、第三セクターは、公共福祉への貢献という公共機関の側面を持ちつつ、ある一方では、利益獲得という民間企業の側面を持つものである。また、企業の目的とする「公共貢献」は、事業の公共性を維持しつつ、その中で可能な限り経済性を発揮して、実質収支を改良することであると捉えて欲しいといつも願っていますし、今後、運営対策のリホームの必要性もあると思います。
まず自助努力をする、その中で企業努力を行い、収支の実質的な改良を図りながら、ある一定の利益基準を定め、これを上回る黒字部分については、市の一般財源に組み込み、市民に還元できるような仕組みづくりを行うことも今後大変重要なことではないでしょうか。
当駅は複合型駐車休憩施設であり、今後高齢化時代、国民皆免許時代になります。そのためにも、道の駅の果たす役割は大変重要なキーステイションであり、地域の参加機会を提供する場面と道路利用者のネットがより必要になって来ています。

 現在道の駅あさごは、地域にとりましては、なくてはならない施設となりましたし、道路利用者のある方は、「私は道の駅のファンです」「道の駅の看板を見つけますとホットします」「私たちは年金で生活しながら道の駅を頼りに、失った青春を取り戻しながら旅を楽しんでいますので安心してドライブが出来ます、大変助かっています。」とその他数々の嬉しい言葉を頂き大変励ましていただき感謝致しております。その反面クレームの対応も欠かせませんが、ひとつの教訓であるとして心で受け止めて対応しています。

 このように、道路利用者の方々より積極的な言葉で私は大変勇気付けられます。 また、走行中、道の駅の看板を見つけますと、「あっ道の駅や!」と精神的な安心感が生まれ、「道の駅の看板を見ますと必ず利用しますよ」とそれが言葉と態度にかわって表現しているのだと思います。
 もう一方、地域においても、道の駅は大きく貢献していますが、今後、それ以上に地域の方々との交流を図っていくことがより大切です。

道の駅あさごの黒川駅長

1.健康、福祉の増進 (体のウエルネス)
2.ゆとりあるライフスタイル (心のウエルネス)
3.魅力ある地域づくり (地域のウエルネス)


  以上、観光資源として活用することで活力ある地域づくりが出来ると思いますし、 より一層の自助努力が求められています。

ありがとうございました。



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執筆者

道の駅あさご 駅長 黒川あや子

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