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未知倶楽部コラム

産品交流について

2007年01月05日

先のコラム「街道文化の宿場町」にて お話を頂いた、道の駅「土岐美濃焼街道どんぶり会館」の丹羽駅長は、 道の駅同士の産品交流に大変ご熱心な方です。

「宿場街が繁栄するためには、住んでいる人にどれだけ 必要な産物を提供できるか、そしてこの地の産物を如何に 外の人たちに売るか。富の蓄積は街の繁栄には欠かせない。」
という件にもあるように、
『地域の方々への他地域の産物(情報)提供をすること』、
『そして域内の産物(情報)を他地域に紹介すること』
を積極的に行っていらっしゃいます。

道の駅は自動車で旅行される方々が立ち寄ると共に、 地域の人々が集まる場所「宿場町」でもあります。 道の駅土岐美濃焼街道どんぶり会館では、 地域に住んでいる方々の為に、施設の一角を使って 道の駅同士の産品交流コーナーを設けていらっしゃいます。 他の東濃道の駅の産品や、愛媛、愛知、北陸などいろんな地域の 道の駅の産品を販売されています。

お客様から、 「なぜ岐阜の道の駅に愛媛の産品が置いてあるの?」 との質問があります。
そこで丹羽駅長はこう説明されます。
「ここにも書いてあるように(商品のそばには商品紹介や 道の駅紹介など様々な情報が掲示されています)、道の駅同士の駅長同士の交流事業なんですよ。 岐阜にはなかなか馴染みのない遠方の地域でも、“道の駅”同士ならば それぞれの駅長同士が友達で、お薦めの商品を紹介してくれるんですよ。 さあふたりの駅長のお薦めです。だまされたと思って食べてみて下さい。」

そうするとお客様もご納得していただいて購入され、 また他でなかなか手に入らないということで、 繰り返しどんぶり会館を訪れてくださるそうです。

またお客様の中には、 愛媛を訪れたときの懐かしさで購入される方や、 丹羽駅長の話を聞いているうちに愛媛に興味を持って 実際に愛媛に行かれたお客様もいらっしゃるなど、 様々なお客様のお話を伺いました。


となりの山岡でも

道の駅おばあちゃん市山岡の後藤駅長
巨大な陶器の壺に目を引き付けられます
隣の道の駅「おばあちゃん市・山岡」でも産品交流をなさっていました。

年末にお邪魔をした際には、愛媛の 道の駅「瀬戸農業公園」の成本さんから 送られたサツマイモ『瀬戸の金太郎』を使って、 ホクホクの焼き芋を作っていらっしゃいました。

『瀬戸の金太郎』は12月になっても取れる甘味の強いサツマイモで、 愛媛県のふるさと農産物にも指定されています。 「瀬戸農業公園」では芋焼酎も販売しているというお薦めの品です。

冬の寒い中でぜひとも焼き芋を出したいと考えられましたが、 岐阜ではもう焼き芋に使うサツマイモは手に入りませんでした。 しかし比較的暖かい愛媛からは取り寄せることができ、こうして 販売が出来たというわけです。

さて焼き芋は店内中央で販売されていました。 高さ1メートル以上もある大きな陶器の壺がどーんと置かれており、 その後ろには「瀬戸の金太郎」のポスターが。
石つぼの中
壺の中でゆっくりと焼き上げられます

そしてすかさず後藤さんの紹介が入ります。
「愛媛の瀬戸農業公園の成本さんから届いたお芋、甘くて美味しいよー。」

大きな陶器の壺の中で、備長炭をつかって焼くこと1時間。 遠赤外線でじっくりと焼き上げられたサツマイモの甘さは、 格別なものに仕上がっていました。

お正月明けに後藤さんからご連絡をいただきました。
「やきいもはやっぱり瀬戸農業公園のさつまいもが美味しいですよ。 お正月中やき芋がよく売れて、瀬戸農業公園から送っていただいた さつまいもが品切れになってスーパーで購入して焼きましたが味が違うことが分りました。 色・味・そして微妙に水分があり陶器のつぼで焼くと最高です。 お客様に喜んでいただければと思って安価で提供していますが、 スタッフがよそで焼き芋を買ったら 倍額くらいしたよといって、わが道の駅の焼き芋を自慢していました。」

全国の道の駅は山岳地帯にあるもの、海岸付近にあるもの、平野にあるものなど様々です。
道の駅ではその地域独自のものが販売されることは前提ではありますが、 道の駅に集う地域の住民のために行われている、 また「道の駅」だからこそできる、新しい取組みと感じられました。
執筆者

未知倶楽部室 北山一博

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