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道の駅で見つけた宝物

Vol.3      花摘み / 道の駅おおつの里(千葉県南房総市)

『花倶楽部』温室群への入り口
『花倶楽部』温室群への入り口。左右に同様に巨大な温室が連なり、迷路さながらのようになっている。

 こんなところに道の駅があるの???
 アクアライン、館山道を乗り継ぎ、国道127号線を南下、有名な道の駅富浦『枇杷倶楽部』を通り過ぎてすぐ県道を左折する。道はどんどん山間に入っていき、車の通りもあまりない。冒頭の言葉が頭をよぎる頃、道の駅の道路標識が見えて安心した。
 ここが道の駅おおつの里。途中通り過ぎた『枇杷倶楽部』の姉妹道の駅だ。こちらのニックネームは『花倶楽部』。文字通り花だらけの道の駅なのである。
 表玄関から中へ入ると、物販と飲食スペースが左右にある。そりゃ道の駅だからあるのはあるのだが、そんなことよりもその奥に広がっている巨大な温室に目は釘付けである。さらに目を凝らせばでかい温室は一つではなく、いくつも複雑につながっていて先の方はよく見えない。
 これが道の駅??? 切り花の温室なんじゃないの???
 そうなのだ。ここは元々『枇杷倶楽部』が販売する切り花の温室だったところを『花倶楽部』としてオープンさせ、その後独立した道の駅に“昇格"させたところなのだ。
 温室の総面積は4000坪! 夏の端境期をのぞき年間を通してポピーやユリ、キンセンカなどの花摘みが楽しめる。花摘みのほかにもイチゴ狩り、枇杷、メロンなどの農業体験も可能だ。
 筆者が訪れたこの日は、3月の平日。雨が降っている上、肌寒い、あいにくの天気にも関わらず、思いのほか多くのお客さんがいる。それもここをめがけてやってきた人が多いようで、皆さん嬉しそうに花摘みを楽しんでいる。それではとこちらも温室巡りを始めてみると、金魚草やポピー、カーネーションなどの可憐な花と並んで、ストレリチアの温室を発見。ストレリチアとは和名で『極楽鳥花』。オレンジや黄色、赤などの派手な色彩で鳥のくちばしのような固い花をつける体長1mを超える大きな植物だ。余談で恐縮だが筆者はこの花が大好きで、機会があると切り花で買うのだが街中では結構な値段がする。ここでの値段は1本300円。さすが生産者価格でリーズナブルだ。
 ちなみに「おおつの里」での花摘みは、種類ごとに1本の値段が設定されており、摘んだ分だけチャージされる仕組み。どの花がいいか選びながら、花で一杯の温室を歩き回るのはなかなか楽しい。この花摘みのほかにも、店内には近隣の切り花生産者が持ち込む多くの種類の花が売られているので、こちらにも目を通したい。思わず大きな花束をもって家路につくことになった。
 南房総では花摘みをやっているところも多い。しかしこれほど大きな温室群で花摘みを天候に左右されずに楽しめるところはさせるところはそうそうない。道の駅と言えどもウリを最大限特化することが、やり方によっては大きな強みになるという好例であろう。

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