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未知倶楽部コラム

絶滅危惧種〜礼節を重んじる日本人〜

2006年7月20日

道の駅は数年前から「ブーム」のようです。このブームの恩恵を受けながら私たちは営業(管理運営)をさせていただいております。その恩恵の裏側ではマナー違反による公的・私的損失も無視できない状況になっています。今回はそんな一面について触れてみたいと思います。
すでに「駅長コラム」で同様の指摘もありますが、道の駅利用マナー等に関してはどの駅でも同様の事例があると思っています。重複する面もありますが、道の駅側から見た不特定少数の生態をちょっとご紹介しましょう。

道の駅スタンプ

スタンプは本来ドライブで立ち寄った記念(証し)に押すものでした。ところが最近では「スタンプ収集自体」が目的となった感もあります。2003年〜2004年には売り買いする輩まで現れたとか。
ラリーが目的と化し過熱すれば、目的が達せられなかった時に怒る人が現れます。「なぜ年中無休でやらないのか、なぜ夜遅くまで営業しないのかetc・・・」スタンプを押せなかった怒りです。
当初はスタンプをトイレ等に設置し常時押印できるようにしていたのですが、壊されたり盗難(?)に遭ったりしたので、ワイヤーを付けましたが意図的な行為は防止することができません。 結果、一部の不心得な利用者が原因(?)で各駅(施設)の営業時間内に限定することになった訳です。
当駅は年末年始以外無休ですが、週1回休む駅もあります。他の駅でスタンプが押せなかった悔しさや怒りをぶつけられることもしばしば。休日にはお子さんによるスタンプ被害も発生します。~~辺りかまわずスタンプを押しまくる~~拭き取るのがまた大変ですが、何も言わない親の多いこと・・・

ゴミ問題

休日などはすぐに満杯になります。朝は、この周辺にいろいろなゴミも・・・ 数年前まではコンビニ前にはゴミ箱がありました。ところが自宅のゴミまで持ち込んで捨てる人が増えたり、危険物を投入する人が現れたりするものですから、一時期コンビニの前からゴミ箱が消えました(その後、店頭ゴミ箱は復活しましたが、家庭ゴミの持ち込みも復活しました)。
道の駅も同様で「誰がどこから持ってきたのだろう」と思うようなものがゴミ箱に入っています。分別用のゴミ箱も意味を成しませんし、蹴られて壊されたりもします。夏休みのピーク時などはトイレや施設の裏にまでレジ袋に入ったゴミが散乱、バッテリーやガスボンベ(空)まで捨ててあります。
そして、我が道の駅からゴミ箱は消えました。スタッフの目が行き届く店内のみにしたのです。
2年ほど経過した頃、今度は自販機に関連した問題として浮上しました。「自販機を設置しておきながら空き缶や空き瓶を回収しないのはけしからん」との声が広がったからです。道の駅連絡会からも「設置に取り組んで欲しい」旨の依頼がありました。う〜ん・・・長考・・・。
結果、投入口がビン・カン用に丸くなっているものに限定し、自販機用として今年4月に2台設置しました。蹴っても壊れない程度のものを選び、10kgのコンクリート重石も付けました。数万円の出費ですがやむを得ません。長持ちしてくれるのを祈るばかりです(頑丈なものは@7〜8万円もします)。分別表示も役に立たず回収後の再分別にも相当な手間が必要です。この状態でワンシーズン様子を見たいと思っています。

トイレと水について

清掃して1時間経過の洗面台ですが、周辺は水しぶきでビショビショ!(なぜか鏡までも) 年中無休、24時間利用可能な道の駅トイレです。日に最低4回の念入りな清掃をしています。
時々配水管が詰まって利用できなくなることがありますが、原因はトイレットペーパー以外のものを流したことによるものです。朝、出勤したら「トイレが水浸しでウ○コがそこらに散らばっていた」事件も一度や二度ではありません。ビニール袋やティッシュ(意外と水に溶けない)が詰まっていることが多いようです。自分たちで復旧できることもありますが、業者を呼ぶとなると田舎では「すぐお伺いします」という訳にはまいりません。連休初日に起きると休み明けまでは利用者にご不便をおかけすることになります(都会のような「便利屋さん」はありません)。
「事件を起こした当事者」のほとんどは「逃げ足の速いやつ」となり、申し出る人は被害者もしくは第三者です。先週は個室ドアの施錠金具が壊されていました(相当頑丈でシンプルな作り)。
シーズン中は駐車場で一夜を過ごす車もあります。キャンピングカーの割合も増えてきました。
公的駐車スペースとして断る理由はありませんが、洗面所で米を研いだり洗い物をしたりして配水管を詰まらせたりする事件が起きます。洗面台は手や顔を洗う場所で、米を研いだり鍋釜を洗ったり、ましてや食べ残しを捨てる場所ではありません(ラーメン、ソーメン、何でも出てきます)。
オートキャンプの設備は備わっていないので水やゴミ、火の取り扱いには注意してほしいですね。
「駅長コラム」で犬の散歩によるフン害も紹介されていましたが、当駅でも起きています。今や愛犬とのドライブは当たり前のようですが、犬よりも「飼い主のしつけ」が必要なようですね。
近年は「想定の範囲外」の出来事も増えており「マナー」とか「常識」という定規では計りきれなくなっています。とは言え、ついマナーを守ってしまう「礼儀正しい日本人」を目撃するとホッとしたりします。礼節を重んじる日本人、絶滅は免れているようですがもはや「絶滅危惧種」?なのでしょうか。

執筆者

道の駅サロマ湖 杉本武雄

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