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未知倶楽部コラム

地域心理学(依存症)

2006年6月30日

瀬戸農業公園の施設は平成元年8月から順次整備され、平成5年4月に愛媛県第一号で道の駅の指定を受けました。平成2年には、四国では最初に風力発電の風車ができたところでもあります。平成12年9月から第三セクタ−での運営が始まりました。
平成11年に農産物直売所が出来ましたが、出荷会員の運営でしたので、たしか日曜日のみの開店だったと思います。

行政の管理で約11年ほど運営していましたが、地域の参加・売り上げは少なかった。12年9月からは三セク運営となり、直売所も年中無休での運営が始まりました。地域がら出荷商品に季節的な偏りがあり(当地にはみかん農家が多い)、7月、8月に農産物が何もない売場になんとかしなければと、いろいろとお願いもしましたがどうしても出荷する物がないと言うことで、観光客の一番多い夏季に、商品がほとんどない年が3年ほど続いたでしょうか。いろいろな提案もしましたが、「売れ残りが多いので出来ない」と言う意見が大半をしめ、思うように売り上げも伸びません。

地域の抱えている持病のようなものだとつくづく思いました。
役場の言う、補助金のあるイベントや、商品買い取りなどは、リスクを背負うことがないので協力はするけれど、自分からの提案や行動は人の批判を浴びるのでやらない。

ようやく、少しずつ野菜が出荷されはじめ売り上げをあげる方がでてきました。小ビジネスの集合体でいいと思う、力をつければ・・・

地域や人への悪口は、いい話の何倍もの早さで地域に広がりますよね。逆に、前向きな良い話はなかなか地域に広がりません。地域ビジネスを考える時、空も山も海も人も、地域がひとつのお店だと・・・お店の中の商品を生産者やスタッフが批判したのでは、いくらいい商品でも売れません。

行動力のある地域、前向きに頑張るおばちゃんのいる地域、人の悪口を言わない地域、失敗を恐れない地域・・・一筋縄ではいかないと思うことはありませんか。

地域のイメージ

地域の持つイメージは、都会にはない地域の原風景とか、そこでしか食べられない食事とか・・・・・

私はオートバイが好きで、25歳のとき会社を辞めて、することもしたいことも無いときに、単車で日本一周をしたことがあります。2ヶ月ほどかけて、最北端・最南端まで、とくに、信州、高山、奥飛騨、上高地はほんとうに好きで年に2回ほど何年も行きました。瀬戸農業公園にもそんな若者がよく訪れます。そんな人に私は「早く社会に復帰してよ」とお願いします。

話は脱線しましたが、地域をどんなイメージで売り出すかが大きな問題です。

道の駅に勤務していますと、テレビ・新聞・雑誌の取材を受けるのが日常的になるときがあります。私を訪ねて来ますので、農業公園のイメージだけでなく、私のイメージ、地域に対する私の熱意がなければ記事にはなりません。

これからの「道の駅」は、地元の原風景であり、地元住民の営みであり、産直売場のおばちゃんであり、段々畑のみかんであり・・・すべてが「道の駅」の商品イメージではないでしょうか。

私は、勤務以外に農業体験塾をやっています。地域のおばちゃんと立ち上げたグループで、「アグリであーと」と言います。ツーリズムをとおして地域農業で何ができるかに挑戦する年にしたいと考えています。勤務前に2時間、勤務後にもさつまいもの苗を植えて帰る日々です。さつまいも畑のレストラン、収穫祭、風景を楽しむ会・・・

段々畑にみかんの実るころ、山の上で海を見ながら芋掘りをしませんか、宿泊施設もありますよ。

執筆者

瀬戸農業公園 成本 利久

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