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未知倶楽部コラム

今年も「小町まつり」が近づきました。

2006年5月31日

ここ、秋田県湯沢市小野地区は、小野小町生誕の伝承の地です。平安の歌人・六歌仙の一人、小野小町はこの地で生まれ、晩年もこの地で過ごしたと言い伝えられています。小町を偲んで行われる「小町まつり」を紹介いたします。

小町改めの儀 6月1日(木)午後7時30分 小町塚

小町改めの儀。厳粛な空気の中、7人の小町娘さんの新旧交代式が執り行われます。毎年7人の小町娘さんが選ばれます。自薦・他薦による20歳前後の未婚の女性達です。昨年の小町娘さんとの新旧交代式です。小町娘さんが7人なのは、小町伝説の逸話に由来しています。観阿弥作の「通い小町」「草紙洗い小町」「卒塔婆小町」をはじめ、「鸚鵡(おうむ)小町」「関寺小町」「清水小町」「雨乞い小町」の以上7つの謡曲からなる「七小町」といわれています。緊張の中にも、厳粛な改めの儀式です。

小町まつり宵祭 6月10日(土)午後7時20分 小町塚

宵祭は幻想的に、そしてロマンチックに進んでゆきます。 紀貫之が「古今和歌集」の序文に「小野小町は、古(いにしえ)への衣通姫(そとおりひめ)の流れなり。あわれなるように強からず。いわば、美しき女の悩めるところあるに似たり。強からぬは女の歌なればなるらし。」と記されています。小町は本当にミステリアスな背景を持っていますが、それだけにロマンチックでもあります。宵祭は、こうした小町の謎とロマンを探り、幻想的にしかも優雅に執り行われます。暗天の中、一点の灯りをともし、小野小町と深草少将の叶えられなかった逢瀬を一枚のスチールにした「小町逢瀬の図」。「謡曲 通い小町」「小町おどり」、悠久の小町伝説を語る「小町太鼓」など、翌日の「小町まつり本祭」にむけてムードはより高まります。

小町まつり本祭 6月11日(日)午前9時30分 小町塚

小町まつりのチラシ。今年も多くの方のご来場・ご参加をお待ちしております。 毎年六月第二日曜日に行われます。深緑香る小町塚では祝詞奏上に始まり、巫女舞で神前を清め、小町の霊魂を呼び戻しているうち、謡曲「通い小町」が会場に響きわたり、市女笠(いちめがさ)に身をつつんだ七小町が登場すると、会場に詰めかけた多くの観客から溜め息とどよめきが起こります。七人の小町娘は次々と和歌を朗読し小町堂に詣でる、まさに平安へのタイムスリップの瞬間です。併せて大勢の稚児が可愛らしい化粧で稚児衣装をまとい、行列すると一段と華やいだ雰囲気になります。「小町おどり」「小町太鼓」の奉納や、「紅白もちまき」などが加わり他に類のない優雅なまつりです。

執筆者

道の駅おがち 小町の郷
支配人 菅野 健悦

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