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未知倶楽部コラム

子育てコラム

2006年5月25日

先日、仕事中に妻からの電話。
「今日、太一が学校で石を投げて友達を傷つけ、学校から呼び出しがあったので、これから行きます。」との事でした。

「傷つけた?」
それは大変な事。妻だけでは対処出来ないと思い、急遽仕事を抜け出し、自宅へ向かいました。自宅へ到着し、息子(長男)に、「どうしたんだ」と問いかけると、「友達が僕に酷いことを言ったので、殺そうと思って石を持って追いかけた...」との事。「怪我をさせたのか?」と聞くと、「怪我はさせていない」。学校からの連絡とは違い傷つけていないことが解り一安心...。

しかし、学校には行かねばいけないようだったので、妻と学校へ行きました。
学校では、担任と教務主任の先生との面談でした。取り急ぎ、先生から状況を聞きました。

状況→お昼休みに友達と遊んでいるとき、息子がルールを守らなく、女友達が息子に謝るように言ったそうです。それに対して、息子はルールを守らなかった意識が無く、「何で謝らないといけないんだ」と言ったところ、その女友達が息子に対して「チビ、どチビ」と言ったそうです。

息子は、現在小学5年生ですが、身長が130cmに足りなく、クラスの中でも一番小さく、クラス全員が列ぶと頭1つ程度低い状態で、以前からその事は必要以上に気にしており、息子の最大のウィークポイントでした。

その「チビ、どチビ」の言葉が息子をかなり傷つけたらしく、近くにあった石を持ち上げ「殺してやる」と言って女友達を追い回し、その友達に必要以上の恐怖を与えたそうです。
以上のような状況で先生は「殺してやる」という言葉に対して保護者の方にも家庭での教育をお願いしたいとの趣旨でした。

先生の話「とにかくびっくりしました。他の生徒に危害が及ばないよう逃げるように指示し、相手の女の子を保護し、キレた太一君を押さえつけるに必死でした。」との事。「その後、近くにいた友達に事情を聞き、お互いに悪いところがあったと認めた為、お互いに謝らせ、和解しました。」

「女の子の友達は、太一君に対して『酷いこと言ってこめんねぇ』と言いましたが、太一君は『殺そうと思ってゴメンねぇ』という謝り方で、びっくりしました。」との事でした。

中津川市は、先月未成年者の不幸な事件があり、他の地域に於いても毎日のように小学生や未成年者が被害者、加害者になる事件が続いているので、先生方もかなりナーバスになっているように感じました。確かに今回の息子の行動は許されるべき事ではありませんが、「殺す」との意味に対して、息子はどれだけの意味をもっていたかと推察すると、成人が思う「殺す」とまたレベルが違うようように感じました。

私も子供の頃、身体的な理由でいじめられた事が多くあり、その時「殺してやろう」と子供心に思ったことが正直あります。「殺そうとしてゴメンねぇ」との謝り方も、恐怖を与えた友達に対して最大限の謝り方であり、息子はまだまだ幼いところがあり、言葉の引き出しの数が少なく、うまく表現出来なかったのだ思いました

そして、ここで私自身、その場では言えませんでしたが、先生に対して不信感を抱きました。確かに他の生徒に被害が及ばないようにする事は必要かもしれませんが、先生のとった行動が「もし私が息子だったら...」と思った時、「振り上げた拳を降ろすことが出来ない状況」に追いやられたように感じました。

他の生徒を逃がす状況、女の子を保護する状況、押さえつけられる状況を鑑みれば、「自分の上げた拳」を降ろすことが私でも出来なかったと思います。「拳を降ろさせる」思い遣りや教育に欠けた対応でした。

とにかく、私共夫婦は陳謝することしか出来ない状況でした。たぶん、先生には「太一君は、キレる恐い子供」としか映らなかったように感じました。

息子、太一は本来心の優しい子で、とても素直で年齢より少し幼いかもしれません。
(「不二家 ペコちゃんの森」の公募エッセイにも書いたとおりです。
www.peko-mori.com/essay/prize/frame_prize1_1.html
www.pekomori.com/essay/prize/prize_menu3_2.html

2ヶ月前にも事件が...
学校から帰ってきた息子、太一が「今日学校でガラスを割ってしまいました。ごめんなさい」と謝りました。

日頃から、「学校で何かあったら、ちゃんと言いなさい」と言っていたので、約束を守った息子に対しては「怪我は無かったのか?」「正直に言ってくれてありがとう。これからは気を付けろよ。」と声をかけました。しかし、その直後に、教頭先生から電話...「今日、太一さんが割ってしまたガラスの修理費用の支払いをお願いしたい」との事で、先生に対しては「子供から聞きました」と答え、修理代の支払いも了承しました。

数日後、修理が完了したらしく、学校から請求書が...見てビックリ、なななんと約5万円。思ったより高価だったので、教頭先生に問い合わせたところ...「特殊なガラスで、学校の中で一番高価なガラスです。」との事でした。素直に謝った息子に対して、これ以上怒ることも出来ず、泣き泣き支払いました。

こんなことなら...もっと子供を叱っておくべきだったと後悔...器の小さな親爺の恨み節です。

執筆者

道の駅 きりら坂下 支配人 三尾 弘成

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