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地域資源を活用した食事メニュー (3月実施アンケート結果から)

地方発の食文化は、広域から人を集める力を持っています。今回は、地域の食文化をテーマとするツーリズムへの対応、そして加工品として遠隔地へ販売する可能性について、アンケートを実施、71の回答をいただきました。

道の駅の飲食部門に対する消費者の期待は、地元食材を使った料理

道の駅における飲食展開では、地元の食材を使った料理の提供が基本となっており、「地元食材以外は使用しない」というこだわりを徹底する施設もありました。また、「地域資源を使ったメニュー以外は動かない」という回答もあったように、消費者もその土地でしか食べられない料理への期待が高いことがわかりました。

地元の食材を誰にもなじみやすい料理で提供するのが、道の駅の正攻法

地元の食材を利用した料理の種類は様々ですが、誰にも馴染みのある定番的な家庭料理やどんぶり物などのシンプルなメニューが多かったのが特徴です。実際に、消費者の反応についての回答からは、めずらしさを重視したメニューより定番的なメニューの方がリピーターを得やすいという傾向も見えてきました。高齢の方も含め客層の幅が広い道の駅では、その土地ならではの食材を誰にもなじみやすい料理で提供するというのが、正攻法と言えるようです。

地元食材をより魅力的に訴求する売り方に取り組む施設もある

一方で、電話取材では、ご当地飲食の新しい提案に取り組む事例がありました。体にやさしい食を提案する「家庭の薬膳料理」、ご当地食材をカジュアルにいただく「ご当地バーガー」、直売所で売っている食材を飲食部門で活用した「物販連動型メニュー」など、いずれも地元食材をより魅力的に訴求する売り方への工夫がありました。

継続的な新作メニューの投入は、地域の連携も課題に

お客様を飽きさせないためには、定期的なメニューの入れ替えが重要です。今回のアンケートでは、年2回〜4回程度、季節ごとにメニューの入れ替えをおこなっているという施設が多数ありました。中には、季節の食材に合わせたメニューの転換というレベルに留まらず、常に新作料理(弁当を含む)を提案し続けることに意欲的な施設もありました。継続的な新作の開発にあたっては、コラムで取り上げた熊本県 泗水のように、地域と連携した取り組みも必要と思われます。

飲食と物販の連動を図る展開はお客様にとっても魅力的

飲食メニューを物販につなげる方法には、パック惣菜や弁当として持ち帰らせる他、冷凍・冷蔵、レトルト・真空パック等への加工がありますが、飲食とうまく連動して展開しているケースは少ないようです。飲食体験を物販につなげ相乗効果を高めることで、売上の向上が図れます。道の駅でいただいた味をお土産として持ち帰るという連動消費の仕組みづくりは、お客様にとっても魅力ある展開です。

地域の素材を活用した食事メニューを開発して集客力を高める

ひとつの道の駅が個性ある食事メニューを提供するだけでは、広域的な集客力につながりません。しかし、・・そば街道、・・どんぶり街道など、広域の道の駅が連携して、共通のテーマに取り組んで、食事メニューを開発するとともに、共同で情報発信すれば、集客力は高まります。

地域の素材を活用した食文化の全国発信を目指す

フードコートで弁当やバーガーとして販売する、惣菜コーナーで肉まん、ドーナッツなどに加工して販売する、冷凍・冷蔵食品、レトルト食品として加工するなどの取り組みが可能です。


「未知スタイル」の本編では、この紙面で紹介しきれなかった分析結果と、各地の事例を詳細に掲載しています。あわせてご覧ください。

執筆者

未知倶楽部 編集部

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