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未知倶楽部コラム

利用者をリピーター客から顧客へ高めて売上を拡大する方法
(1月実施アンケート結果から)

道の駅は一般の商店やショッピングセンターと異なり、地域住民の交流の場として、また道路利用者の休憩の場として、公共性を有し、多くのリピーター客に愛されています。
ところで、ショッピングセンターなどの小売業や、ビデオレンタル、航空会社など、あらゆる分野の企業で、お客様をリピーター客ないし顧客として把握して、売上を確保しようという取り組みがさかんです。一般企業では、いまや顧客管理なくして企業の存続はありえないといわれています。そこで、今回は、利用者をリピーター客から顧客へ高めて売上を拡大する方法について、調査を実施し、74の道の駅から回答を寄せていただきました。
今回のアンケート結果では、日常的に来店してくれる“地元客のリピーター客化”ができている道の駅は多いことはわかりましたが、遠隔地のリピーター客を把握する顧客管理の方法はあまりできていないことがわかりました。

顧客名簿を持っている施設が少なく、リピーター客に対する取り組みも総体的に浅い

顧客名簿を持っている道の駅は全体の3割に留まりました。顧客名簿を持っていない施設が多いため、リピーター客に対する深い取り組みができている施設はほとんどありませんでした。

顧客情報は通販の申し込み時やポイントカード入会時にいただく

リピーター客づくりに向けた顧客管理の第一歩は顧客情報の入手で、今回のアンケートでは、通信販売の申し込み時やポイントカードの入会時に顧客情報を入手している施設が多いことがわかりました。

遠隔地でもタイムリーに情報発信できるメールでの顧客コミュニケーションが主流に

お客様情報をいただく際、氏名、住所に加え、メールアドレスをもらうようにしている道の駅が増えており、メールで新商品やイベントの方法を配信しているという施設が複数ありました。ダイレクトメールから電子メールや、携帯メールに比重を移す道の駅も出てきています。遠隔地のお客様にもタイムリーに情報発信ができるメールは、これからの顧客コミュニケーションの主軸になると思われます。

通信販売の主流もインターネットが主流になり、遠隔地客を取り込みやすくなっている

メールが情報発信の主流になってきているのと同様に、通信販売の手法もダイレクトメールからインターネットに移行しているようです。エリアを問わずタイムリーな注文が可能なインターネット通販は、遠隔地のお客様をリピーター客として囲い込みやすいというメリットもあります。

ポイントシステムで顧客の購買履歴を把握し、売上げ対策に役立てる

今回のアンケートでは、ポイントカードを導入している施設が目立ちました。ポイントシステムは、ポイント還元による集客効果だけでなく、顧客の購買履歴を把握し売上げ対策などに役立てることができます。意識の高い道の駅では、将来的な売上げ低迷対策としてポイントシステムの導入を計画している道の駅もありました。

遠隔地の利用者の確保なくして道の駅の存続はありえない

多くの道の駅が立地している地域は、人口減少と少子高齢化が先行している地域です。このような状況においては、地域の人口減少のため、地元利用客の総売上高は確実に低下します。そこで、遠隔地の利用客の消費を拡大する必要が出てくることになり、遠隔地のリピーター客と顧客をいかにつかまえるかが重要になってきます。

顔のわかるリピーター客から、住所氏名のわかる顧客にする

わたしたちは、顔なじみのお客様は覚えやすいのですが、それは、実際によく買ってくれているお客様とは異なる場合があります。利用実態のわかりにくいリピーター客から、相手の実態がわかる顧客へ、利用者の情報を把握することが重要です。利用者の実態をデータとして把握して、誰が、よく買ってくれているか、また、どのような利用者層が多いのか、分析、整理することが重要です。

顧客にメリットを与え、選ばれ・満足してもらうための事業を考える

顧客管理はあくまで、利用客を把握、分析、整理する手段です。顧客管理に基づいて、お客様に対して、よりより商品やサービスを提供することが本質的な目標です。そこで、あなたの道の駅の顧客を把握したら、その顧客に向けた特別な事業を企画して、集客してください。

今回は、「利用者をリピーター客から顧客へ高めて売上を拡大する方法」について検討してきました。利用者の実態を把握するアンケート調査から開始して、遠隔地のリピーター客がどのくらいいるか、自分の道の駅で狙うべき顧客は誰かを、考えることから始めてみるのがよいと思います。
「未知スタイル」の本編では、この紙面で紹介しきれなかった分析結果と、各地の事例を詳細に掲載しています。あわせてご覧ください。

執筆者

未知倶楽部 編集部

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