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未知倶楽部コラム

第1回 北海道 道の駅セミナー

第1回 北海道 道の駅セミナー開催プログラム

開催日時 2010年1月20日 13:00〜16:00
開催場所 札幌後楽園ホテル 「ピアリッジホール」
主催者挨拶 伊藤忠商事株式会社 北海道支社長 山角誠
来賓挨拶 北海道副知事 高原 陽二
基調講演  「今、北海道観光のために道の駅が果たす役割」
伏島プランニングオフィス 代表 伏島信治 氏
提言 「未知倶楽部からのご提案」
伊藤忠商事株式会社 未知倶楽部室長 賦勺尚樹
パネルディスカッション
「北海道の道の駅にこれから求められるものとは」

<司会>

  •   株式会社日本総合研究所 総合研究部門 新社会システム創成クラスター
  •   上席主任研究員 金子和夫 氏

<パネラー>

  •   松前町 町長 前田一男 氏
  •   伊藤忠商事株式会社 未知倶楽部室長 賦勺尚樹
  •   株式会社北海道宝島旅行社 代表取締役社長 鈴木宏一郎 氏
  •   道の駅びえい「丘のくら」有限会社美瑛物産公社 事務局長 安井進二 氏
  •   道の駅サロマ湖 株式会社ドリームフロンティア 常務取締役 杉本武雄 氏
  •   道の駅もち米の里☆なよろ 株式会社もち米の里ふうれん特産館
      代表取締役 堀江英一 氏

セミナー講演内容

基調講演「いま、北海道観光のために道の駅が果たす役割」
〜地域の北海道を元気にするクールステーション“北海道の道”とは〜
伏島プランニングオフィス 代表 伏島 信治 様

1.「道の駅」を使えるカードにするためのチェック項目
①観光インフラとして整っているか
  • トイレの男女比1:3は完了したか
  • 全道共通のインフォメーションセンター機能を完備したか
  • いつでもどこでも同じサービスを提供しているか
②消費拠点としてしっかり稼いでいるか
  • 品揃えと売り方に問題はないか
  • うまいものはあるか。
  • 生産・加工・販売のシステム化
③営業拠点として機能しているか
  • 地域のショーケース
  • コンシェルジュ
④戦略的な観光と地域経営の拠点として次の時代を見すえているか
  • 道央にセントラルステーションをつくろう
  • 外断熱、熱交換システム、ペレットストーブなどを完備した「北海道の家」を展示
  • 野菜工場
2.道の駅に功罪有り
  • ①功・・のんびりした北海道観光に「ビジネススタイル」という考え方をもたらした
  • ②罪・・「整備したからいいの」敵自己満足。共闘(統一感、最低限の保証)した実績はあり?
  • ③いま、北海道の道の駅の役割は変わりつつある。地域の戦力になっているか、銀聯(ぎんれん)カードは使えるか?!
3.地域の魅力を力強く再編集する
  • 企画する役割
  • 情報を発信する
4.この国と北海道は“優しい”、すなわち“きめ細かい”。その代表選手というブランド的役割
  • おもてなし
5.冬こそ道の駅。あなたの街の道の駅は「だるまストーブであたりめを焼いてくれるか」
  • 頼りになるという本源的役割
6.道の駅から始まる未知の旅。心を豊かにしてくれる、ある日の旅の拠点という役割・ステーション機能:サイクルステーション、フットパスと食と温泉のステーション、ワンディバスステーション
  • iPodガイドなどの活用

提言「未知倶楽部からのご提案」
伊藤忠商事株式会社 未知倶楽部室長 賦勺尚樹

1.未知倶楽部について
  • 全国約900の道の駅の中で未知倶楽部への掲載している道の駅は3分の1以上。
  • 未知倶楽部の目的は道の駅に潜んでいる魅力を探り出してその魅力に光を充てて地域全体の魅力を発信すること。それと、実態を正確に伝えることである。マスメディアとりわけ中央はきちんと地域の実態を伝えていない。
  • 描いている世界は都会生活者と地域を結びつけて都会と地域の人々へ物質的、精神的な豊かさを提供すること。
2.道の駅に対する視点
  • 道の駅には国交省が作成した3機能(休憩、情報発信、地域連携)があるが、これに地域固有の資源、魅力を付加、融合して地域発展の大きな可能性を醸成させることが出来る。道の駅の経営はこの図式(=メカニズム)を前提としなければならない。
  • 一方、現実には道の駅の利用者はこのような難しいメカニズムを理解し得ない。もっと単純である。美味しい料理と特産品、素敵な工芸品、固有な旅巡りスポットとしての道の駅を見つめ、評価する。しかし、メカニズムが有効に働いている道の駅は利用者の高い評価を得ている。
  • 視点をユニットとしての道の駅ではなく遠く離れて(distance)全国地図の中での道の駅を見つめると別のことが判る。900箇所が見事に全国津々浦々点滅しているボードが現れる。ここから国家戦略的な意義を見つけることが可能。
3.道の駅の課題
  • 市町村での位置づけを明確にすること。過去Vision不在で道の駅という施設を作ってしまった事例がある。でもそれは過去の話。現実に施設が存在し、関わる人々が存在しているのであれば新たな価値を創造するために道の駅の位置づけ(目的、役割、機能)を皆で考えて明示しなければならない。
  • 単体だけでなくて連合連携化を図ること。人口数千人の村では戦えない。周辺の道の駅、出来れば10駅程度が連合連携することによりBargaining Powerが構築出来る。昨年末、イトーヨーカ堂木場店で津軽半島道の駅の特産品販売会が催されたが9駅が合同で行ったが為に商品数も整い、何よりも皆で助け合う力が生まれた。全国津々浦々民意に基づく道の駅を早急に作って欲しい。作ればビジネスチャンスが生まれる。
  • ブランド戦略を構築すること。道の駅は単なる普通名詞。形式的には国交省の商標登録名称、ロゴ。ブランド価値は不十分。全ての道の駅が同じブランドとして繋がっているという意識が有って初めてブランド価値を生む。
4.北海道道の駅に期待すること
  • 豊富な食文化を紹介する場、括りとして道の駅を活用すること。北海道の産品が100ヶ所以上という括りで出品されるダイナミズムを想像して欲しい。
  • ドライブ観光を実現する場としての北海道道の駅を活用する。国として観光立国を目指している。インバウンド観光客を受け入れる場として北海道が最も適している。道の駅をインフォメーションセンター、地域宿泊所のコンタクトポイントとして位置づけ情報ネットワークの整備を急ぐ必要がある。将来的には北海道の大地、自然をカーシェアリングに基づいた電気自動車が走ることがあるかもしれない。新たなカーライフ創出の場として北海道道の駅は可能性を秘めている。

パネルディスカッション「北海道の道の駅にこれから求められるものとは」

<司会>

  •   株式会社日本総合研究所 総合研究部門 新社会システム創成クラスター
  •   上席主任研究員 金子和夫 氏

<パネラー>

  •   松前町 町長 前田一男 氏
  •   伊藤忠商事株式会社 未知倶楽部室長 賦勺尚樹
  •   株式会社北海道宝島旅行社 代表取締役社長 鈴木宏一郎 氏
  •   道の駅びえい「丘のくら」有限会社美瑛物産公社 事務局長 安井進二 氏
  •   道の駅サロマ湖 株式会社ドリームフロンティア 常務取締役 杉本武雄 氏
  •   道の駅もち米の里☆なよろ 株式会社もち米の里ふうれん特産館 代表取締役 堀江英一 氏

道の駅は全国各地で、地域の活性化を支援する拠点として、大きな成果をあげている。北海道には、100もの道の駅が存在し、全国一の数を誇っている。
ところで、道の駅もスタートしてから10年以上が経過し、道の駅のあり方を巡って、新たな事業に取り組むべき第2段階にきている。
たとえば、特産品のレベルアップと販路拡大、地域資源を活用した着地型観光の振興、また広域的な観光ルートの開発や、情報発信など、様々な課題を抱えている。
このパネルディスカッションでは、道の駅に係わっているパネリストから、道の駅の現状、課題を語っていただきながら、これからの北海道における道の駅の発展方向を探りたい。

  • 松前町 町長 前田一男 氏
  • 道の駅はまちの顔、インフォメーションセンターとしての役割を果たしている。
  • 道の駅から、街なかへ観光客を回遊させることに成功した。
  • 春の桜から、通年型の観光地へ転換しつつある。
  • 食の開発と来訪者への提供が可能となった。
  • 漁協の直販課が中心となり、商品開発の実験場となっている。
  • 株式会社北海道宝島旅行社 代表取締役社長 鈴木宏一郎 氏
  • 外国人の北海道観光の人気は高い。
  • 体験観光とレンタカー利用がポイントである。
  • これまでの観光は代理店が中心で、地元はだれも儲かっていない。
  • 今後は着地型観光の振興が必要。
  • 着地型観光は、地域の主体性が必要で、地元で旅行業第3種の免許を取得する。
  • 観光客の滞留時間をのばすには、道の駅と地域が組むこと。
  • さらにエリアごとに道の駅が連携する。
  • 道の駅びえい「丘のくら」有限会社美瑛物産公社 事務局長 安井進二 氏
  • 幹線道路から外れている立地であるが、街なかへ道の駅を設置して、道路通過客を街なかへ回遊させている。
  • 小麦の生産地であったが、これまで特産品がなかった。
  • 粉屋と協力して農商工連携に取り組んだ。
  • 広域でカレー街道に取り組んでいる。
  • 道の駅サロマ湖 株式会社ドリームフロンティア 常務取締役 杉本武雄 氏
  • 道の駅がまちから10kmも離れているので、地域住民に愛着を持ってもらうように取り組んでいる。
  • 海産物の試食販売等、きめ細かな工夫に取り組んでいる。
  • 冬の利用者は1日50人程度とさみしいところで、対策が必要だ。
  • 道の駅もち米の里☆なよろ 株式会社もち米の里ふうれん特産館 代表取締役 堀江英一 氏
  • 平成20年春の開設と新しい道の駅であるが、じゃらんのコンテストで2位となる。
  • 農業法人が運営して、農産物を活用したさまざまな特産品の開発や、農商工連携に取り組んでいる。
  • 日本一のもち米の産地で、物産館を核にして、道の駅がある。
  • 地元主体の法人で運営している。
  • トイレの拡充を図り、おもてなしを重視。
  • 地元サークルのコンサートを月1回開催。
  • 伊藤忠商事株式会社 未知倶楽部室長 賦勺尚樹
  • 道の駅はファーストコンタクトとしての立地である。
  • 手作りの情報を発信することが大切。
  • 道の駅と観光を結びつけること。
  • これらの取り組みをビジネスにしていく仕組みづくりが必要だ。
  • 討議の意見集約(金子)
  • あばしりエリアでは19の道の駅が連携する動きがあるそうだが、道の駅の広域連携が必要である。
  • 北海道は素材が豊かであることから、加工品作りを進めて、地域ブランド化していく。
  • 道の駅は、まちの顔であり、地域産業の戦略拠点であるという認識を行政、道の駅、住民が共有することが大切だ。
  • 地域資源の魅力と都市の市場を結ぶビジネスモデルをつくる段階にきている。
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