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未知倶楽部コラム

第2部 先進事例発表

全国の4つの道の駅の代表の方から、先進的な取り組みをご報告いただきました。それぞれの発表の内容は以下のとおりです。

1.道の駅水辺の郷おおやま(大分県日田市)「地域ブランド化の取り組み」

株式会社おおやま夢工房 経営企画室 室長 三雲 浩嗣 氏
(1)道の駅全体のコンセプト

道路利用者だけでなく地域住民が気軽に利用できる道の駅として、地域住民と都市圏住民が触れ合えるイベントの開催、川や山を利用したイベントなどを計画しています。

(2)レストラン

大山の旬の素材で食の発信、みんなが元気になれる健康洋食バイキング方式をとり、町内既存店との住み分けのためプロによる洋食を提供、地域の果物を使ったデザートも提供し、町内外の女性客を取り込んでいます。閑散期には地域産物の加工品を製造し道の駅及び町内外で販売しています。

(3)直売所

農家と食卓をつなぐ、食の提案型ファーマーズマーケットとして、新鮮素材を販売するだけではなく、料理長と協力しおいしい食べ方を提案しています。地域の埋もれた商品を発掘し、企画・商品化し、こだわり商品として内外に販売することで、道の駅で待つ商売だけでなく、都市圏へ積極的に打って出て、閑散期を含めた売上の平準化を図っています。

(4)人材の確保

地域外から3名の“ヨソ者”が集まって、開発責任者、駅長、シェフとなり、事業に取り組んでいます。

(5)今後の展開

1.高級化
生産者から高い価格で農産物を買い上げて、高い付加価値の商品を販売することを目指し、自社製造リキュールという高級路線へ移行しています。6月末フランスで開催されたボルドーワインフェスタに出展し、欧米市場への本格的な参入を開始しました。また、現在台湾に出荷中で、上海市場は商談中です。

2.自社及びPB商品の企画・開発
生産者から高い価格で農産物を買い上げて、高い付加価値の商品を販売することを目指し、自社製造リキュールという高級路線へ移行しています。6月末フランスで開催されたボルドーワインフェスタに出展し、欧米市場への本格的な参入を開始しました。また、現在台湾に出荷中で、上海市場は商談中です。

3.業務用販売
業務用顧客開拓を目的とし、(株)おおやま夢工房ブランド商品をはじめ、当社取引先及び生産者の業務用向け商品の販路拡大を図ります。

2.道の駅賤母(岐阜県中津川市)「特産品の販路開拓」

山口特産開発株式会社 支配人 楯 鑑治 氏
(1)地域の食の文化の伝承と商品化

差別化された道の駅にするために、「ごへ〜もち」「からすみ」「大福もち」「ほうば巻」などの地域の食を商品化しました。

(2)販路の拡大

市内外のイベントに積極的に参加して、ごへ〜もちを販売しました。団子型ごへ〜もちの良さとして、地元の米+落花生+胡麻という特色を出し、焼き手の女衆のこだわりも加わって、おおいに売れました。

(3)合併による東濃連合会への参加

県境を越えた市町村合併を契機に、東濃道の駅連合会に参加し、心、物の交流が始まりました。「ごへ〜もちのたれ」もそれまでなかなか売れなかったのですが、道の駅どんぶり会館の丹羽さんのアドバイスで、ドレッシングタイプに配合した「あえものの友」を販売したところ、売れるようになりました。

(4)未知倶楽部の活用

東濃道の駅連合会への参加を契機に、未知倶楽部との協力体制もスタートさせました。各駅のビデオによる紹介、誘客対策、地域特産品のブランド認定、情報発信場所としての道の駅のあり方など、多くのことを学びました。また、平成18年3月の道の駅フェスティバルに参加して特産品を展示したところ、大手流通企業から引き合いがあり、取引につながりました。

(5)今後の課題

地域の中のブランド商品として、出来る限り昔のままの姿で、理解を広めて生きたいと思います。また、自社製品は、できるだけ自社店舗販売、卸段階までの原価計算、売価設定などの仕組みを整えていきます。

3.道の駅内子フレッシュパークからり(愛媛県内子町)「ITを活用した農業と道の駅管理」

株式会社内子フレッシュパークからり 代表取締役社長 高本 厚美 氏
(1)キラリとひかるエコロジータウン内子

愛媛県内子町は、人口が2万1千人で、総面積299.50km2の70%が山林という典型的な中山間地域で、環境保全を中心とした町づくりに取り組んでいます。

(2)農業の総合産業化の取り組み

平成4年「フルーツパーク構想・基本計画」を策定、観光農業に取り組み、農業にサービス業的視点を取り入れ、農業の総合産業化を図るとともに、グリーンツーリズムなど都市と農村の交流を図りました。同時に、農業の情報化、農業情報の利活用にも着手しました。平成6年に特産物直売所「内の子市場」を実験的に設置し、産直のトレーニングを開始しました。平成8年には「からり特産物直売所」がオープンし、からりネットも稼動を開始しました。

(3)からりネット

からりネットは、農家の農業情報端末、特産物直売所のPOSレジ、町内の気象観測ロボット、農業情報センターを結んでいます。気象情報、土壌分析から、生産者の生産履歴、直売所の購買履歴まで、一貫したITの活用が実現しています。
からりネットの特徴は、バーコードシールを農家が各自で作成する点、農家から販売情報を確認することができる点、精算を迅速かつ正確に行うことができる点などにあります。情報弱者のハイテク武器といえます。
からりネットのメリットは、「顔の見える」農業への転換を図り、生産者名・電話番号を記した販売により、農家に責任と消費者に安心感を与え、生産者と消費者との直接の交流を可能にすることです。

4.道の駅仁保の郷(山口県山口市)「地域づくり活動との協働」

道の駅仁保の郷 駅長 古甲 征輝 氏
(1)仁保地域開発協議会を中心としたむらづくり

昭和45年、人口の域外流出を防止するため、「住民が将来ともに仁保地区において社会的で一般水準の生活を享受できるように、地区産業の高度化と生活環境の整備を図る」ことを目的に同協議会が設立されました。
「近代的いなか社会の建設」を昭和45年にスローガンとして掲げ、農協、自治会が一体となり、大学の協力を得ながら、取り組みを進めて参りました。

(2)むらづくり活動と道の駅の設置

平成5年、むらづくり活動の拠点となる施設づくりを検討し、平成11年〜12年度、地域特産物販売促進センターが設置されました(市の事業)。平成12年4月、仁保地域開発協議会が中心となり、道の駅の運営会社「有限会社仁保の郷」を設立し、平成12年10月7日、道の駅仁保の郷がオープンしました。

(3)道の駅を核としたむらづくり活動

道の駅では、地域住民や団体とともに、年間を通じて、さまざまなイベントを開催しています。植樹祭、一戸一鉢運動、菊の無償配布、ルーラルフェスティバル、大農業祭、巨大リースづくりなどに取り組んでいます。

(4)地域の環境を守る活動「地域通貨フシノ」

以前、地区を貫流する椹野(ふしの)川流域の上流に、産業廃棄物処分場の建設問題がおきたときに、地域住民が資金を出し合って用地を買い上げて、守ったことがありました。その基金を活用して、椹野川をこよなく愛し、環境を守り、豊かにするために、連携、協働して行動し、活動する人たちの間で流通する地域通貨「フシノ」が作られました。道の駅は、地域通貨「フシノ」の活動の拠点となっています。

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