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未知倶楽部コラム

第1部 基調講演

株式会社ラスアソシエイツの代表取締役社長の島村美由紀氏より、「消費者ニーズからみた道の駅の新たなビジネス・チャンス」と題して、基調講演をいただきました。ご発表の内容は以下の通りです。

1.世代論からひも解く消費傾向

消費の傾向を知るためには、世代をいくつかに分けて、分析することが大切です。世代は、「余暇時間を大いに楽しむ世代(54歳以降)」、「親を卒業して個の時間を求める世代(41歳から53歳)」、「子供との時間探しをする世代(29歳から40歳)」、「気軽・気安さ追求世代(22歳から28歳)」の4つに分けることができ、特に54歳以降の余暇時間を大いに楽しむ世代の動向が注目されています。

2.消費者が求める“楽しさ満足”の体験型消費動向

(1)モノの売れない時代は、コト提案による消費喚起が重要です。知的コト欲求としては、社会人大学、料理教室などがあり、子供コト欲求としては、しましまタウン、キッザニアなどがあります。
(2)ココロを動かす物語性がうむ購買意欲の好事例として、長野県斑尾高原牧場の「サンクゼールワイナリー」、福岡県のレストラン「野の葡萄」があります。
(3)“リアル”を求めて人が集まる仕掛けとして、「津軽こみせ」では商店街に津軽三味線の演奏館を設けてプロを雇用して、常に楽しめるようになっています。また、名古屋の金山駅の商業施設アスナルでは、年間300日、広場でイベントを開催しています。

3.次世代の 「道の駅」 におけるにぎわい拠点の創造

(1)道路利用者から見た 「道の駅」 の可能性 「活気を生む工夫」「出所がわかるモノ=安心」「ご当地ならでは」「本物のおいしさ」「暖かいふれあい」「期待にこたえる」「新しい発見」「みんなで楽しめる」をキーワードに、可能性を考えることが大切です。
(2)「道の駅」 の運営は“商業ディベロッパー(商業施設の開発・管理を担当する事業者)”感覚で取り組む必要があります。また、周辺地元住民も含めた道路利用者のきめ細かいニーズに、適切な事業や業態で対応していくことが必要です。
(3)“商業ディベロッパー”が有するプロパティ・マネジメントの技術に学ぶことを検討してみてはいかがでしょうか。プロパティ・マネジメントとは、施設管理、経営管理、運営管理、コミュニティ管理の4つです。

4.にぎわい施設の視点で考える 「道の駅」 10のポイント

  • (1)ターゲットは誰にするのか
  • (2)どんな使わせ方をするのか
  • (3)「○○のある」「○○が買える」という目玉があるか?【名物・名所・名人の創造】
  • (4)モノ消費に対するコト消費が提供されているか?
  • (5)客に不便・不満はないか?【消費者ニーズのチェック】
  • (6)全館に人が回遊しているか? 【客滞留時間の長短】
  • (7)快適な環境は考えられているか?
  • (8)施設の新陳代謝をどのようにつけるか?
  • (9)おもしろいものをどのように探しているか?
  • (10)誰が館の責任者か?

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