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未知倶楽部コラム

愛媛紀行

2006年4月27日

去る4月20日、愛媛県の道の駅を訪れました。穏やかな瀬戸内海を想像していたのですが、あいにく折からの強風のため、あたかも冬の日本海の荒波の様でした。

まず朝一番に、松山市の道の駅「風早の郷 風和里(ふわり)」を訪れました。松山市街から車で北に進み30分ほど、旧北条市の海岸沿いにある道の駅です。瀬戸内の潮騒に果敢に挑んだ河野水軍の勇士達の末裔が住む地です。

ここは昨年11月以来の2度目の訪問です。駅長の渡部さんは愛媛ブロックの若きリーダー。実年齢より若くは見えますが、頼りがいのあるお兄さんタイプの方です。軽佻な世の中にあっても冷静沈着に、本来あるべき地域の姿、道の駅の商道のあるべき姿を真剣にお考えになっています。

渡部さんが、特産品・青果物売り場で売られている海産物、お酒、かんきつ類などを丁寧に紹介して下さいました。レモンのような風体をした、今まで見たことのないみかんに遭遇。名前は「はるか」。色から想像して酸っぱさを覚悟したのですが、実際に食べてみると、甘くて酸味は控えめ。とても上品な味でした。東京で手に入るのか調べてみたいです。

今回は僅か一時間の滞在となり食事が出来ませんでしたが、先回食べた絶品の鯛めしを思い起こしました。残念ながら次回までのお預けです。

砂混じりの強風の中、玄関まで出て親切に見送ってくださった渡部駅長、ありがとうございました。

次に訪れたのが道の駅「内子フレッシュパークからり」です。街並み保存の取り組みで全国的に有名な内子町にあります。

ここの道の駅は面白い建物の配置をしています。車を降りて前方に見えてくる施設が大きなテント張りの特産物直売所です。更に奥へ進むと右手に燻製工場とパン工房、左手下には小田川のせせらぎがあり小さなつり橋が架かっています。渡るとゾクゾクする世界が待ち受けていそうな風情です。一番奥には洒落たレストランがあります。

ここで駅長の高本さんと食事がてらお話をさせていただきました。

このレストランの売りは豚肉です。衛生的に育てられたSPF豚のみを提供しています。駅長さんが特に一押しするメニューは豚の味噌炒め定食。さくさく感とジューシーさをあわせ持った肉の旨みを楽しみました。

駅長さん曰く、この道の駅で販売されている特産品、青果物とレストランの食材は100%内子町産とのこと。また内子町はドイツのローテンブルク市と交流があり、ハム、ソーセージ等は同市のマイスターから直接指導を受けたとのことです。その直伝の味は在日ドイツ大使館の御用達。レベルの高さは国際級です。

青果物のトレーサビリティーも徹底しています。設置されている端末に、野菜に貼り付けてあるバーコードを近づけると、生産者の顔、栽培状況、肥料、農薬履歴が全て判ります。安心、安全を具体的な形で提供しているのです。

高本駅長と別れてから、内子町の古い街並みを車で駆け抜けました。パンフレットによると非常に奥の深い町のようです。次回は是非一泊したいと思います。

最後に訪れたのは伊予市双海町にある道の駅ふたみ。海岸沿いにある道の駅です。ちょうど砂浜では地元の中学生がサッカーに興じていました。夏場は海水浴客で大いに賑わうことでしょう。

管理運営を任せられている池田所長がにこにこ顔で案内してくださいました。

ここの特産品は何といっても海産物。太刀魚煎餅、ちりめんじゃこの佃煮、それに揚げたてアツアツのじゃこ天。東京でも食べられないことはありませんが、本場のものは全然違います。またドライイチゴも目を引きました。「お茶請けによい」とラベルに書いてあったところ、「お茶漬け」と読み間違えて店員さんに笑われてしまいました。

特産品売り場を通り抜けると立体水槽のある情報コーナーがあります。周囲から覗き込める円筒形の水槽を堂々と泳いでいるのは、タイのほか、ハギの仲間でしょうか。

その奥には「夕日のミュージアム」。夕日に関する展示物が無造作に置いてある様子がいかにもレトロ調です。さながら夕日コレクション。室内にはアメリカ・ポーター社製の高価なディスク型オルゴールがあり、圧倒的な迫力で曲を聞かせてくれました。

本当は夕日をじっくりと鑑賞したかったのですが、帰りの飛行機に間に合わなくなるので夕刻を待たずにここを離れなくてはなりませんでした。次回は池田さんと酒でも酌み交わしながら夕日を眺めたいと思います。

渡部さん、高本さん、池田さん。お忙しい中、温かくお出迎え下さり有り難うございました。近々またお伺いしますので宜しくお願いします。

仕事柄いろいろな土地を巡っておりますが、ここ愛媛には「縁」を感じました。

* 最後に、今回ご同行頂いた岐阜県東濃道の駅連合会の丹羽駅長(土岐美濃焼街道どんぶり会館)、三尾支配人(きりら坂下)、後藤駅長(おばあちゃん市・山岡)、安藤支配人代理(加子母ゆうらく館)、楯駅長(賤母)の皆さんへ。楽しい旅を一層盛り上げてくださり有り難うございました。東濃にも近いうちにお邪魔させていただきます。

執筆者

未知倶楽部室 室長 賦勺尚樹

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