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未知倶楽部コラム

講演「道の駅のブランディング手法の実際」株式会社日本総合研究所 上席主任研究員 金子和夫

講演「道の駅のブランディング手法の実際」株式会社日本総合研究所 上席主任研究員 金子和夫

従来の「地域ブランドづくり」の問題点

  • 地域の特性や資源について十分検討がなされていない。
  • 生産者発想の商品開発が強く消費者ニーズに対応しきれていない。
  • 地域ブランドを誰に向けて発信しているのか、そしてどんなビジョンを描いているのかがあいまいなままである。
  • 商品の付加価値(商品のデザインや商品にまつわる物語性)に乏しい。
  • 商品づくりが先行して、流通チャネルの検討が後回しとなっている。
  • 地域ブランド認定制度が先行し、地域ブランドとしての一貫性を失っている。
  • ビジネスモデル化が遅れており、事業システムの観点が情勢されていない。
  • 地域のイメージに対する認識の共通化が、その地域においてすら不十分。

地域ブランドへの取り組み

  • 地域ブランドの確立に至るには、(1)地域にこだわった商品づくり→(2)消費者と直結した流通チャネル→(3)生産者の思いを伝えるプロモーション→(4)ビジネスモデル化→(5)地域イメージの形成、といった発展段階を踏まえ、それぞれの視座に応じた施策を打つ必要がある。
  • 具体的な取り組みのフローは、「地域資源の発掘と再評価」→「ビジョンづくりと地域内での共有化」→「多様な主体のパートナーシップの形成」→「多様な主体が連携した地域づくりの実践」→「地域ブランドの発信」→「地域ブランドの効果の享受と評価」、と進めるのがよい。

地域ブランド形成の考え方を「道の駅」に応用すると・・・

  • 道の駅の課題として「周辺地域を巻き込んだ面的な魅力を打ち出せていない」「立ち寄り型の施設から脱却しきれず、目的滞在型の展開に乏しい」「商品力が不十分」「利用者(=顧客)とのコミュニケーションが欠如」といった点が挙げられる。
  • 上に掲げた課題のそれぞれについて、地域ブランドの発展段階に応じた施策を打ち出してゆく必要がある。
  • 具体的なプロジェクトとして、面的な魅力の展開のために「駅長のコンシェルジュ機能の強化」、目的滞在型への脱皮のために「バスツアーの企画・実施」、商品力の強化のためには「統一ブランド商品の打ち出しと地域内の駅での共同販売・販促」、そして顧客コミュニケーションの活発化のために「ウェブサイトの活用とブランドイメージのビジュアル化」、などが挙げられる。

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