道の駅ブランディングについて(その2)
2006年4月11日
それに対する答えは道の駅が出すべきであるという考えもありますが、それは正しくないと思います。マーケティングの大原則として、道の駅にとって誰が一番大切なのかということを先ず押さえなければいけません。
道の駅にとって一番大切な人は?
それは利用者であり消費者です。それ以外にはありえません。
それであるならば、利用者、消費者が何を道の駅に対して期待しているかをつぶさに調べることが必要であり、その結果から道の駅が利用者に対して保証すべき事項は何かを導き出さねばなりません。
一年半前に利用者調査というものを行いました。調査対象をドライブを楽しむ人に限定して、全国約1000人に対する調査を行いました。男女別、年代別、地区別に層分けして、ドライブに求めるもの、ドライブの際に出会う国道沿いにある施設(ドライブイン、ファミレス、コンビニ、総合温泉施設レジャー施設)と道の駅との役割上の違い、道の駅に対して期待するもの等を、定量アンケート及びグループインタビューを通じて調査しました。
そこから出てきた主な結論は以下のとおりでした。
- 道の駅に対しては、他施設と比して、地域性、旬な味ともの、意外性、非日常性をより強く求めている。
- とりわけ50歳を超えたいわゆる金と時間にゆとりのあるアクティブシニア層は、その世界を求める傾向が強い。
かなりの道の駅利用者は、道の駅に対して、他の施設いわゆるマニュアル化したファミレス、コンビニ等とは一線を画した独自の世界を求めているのです。つまり、その世界を道の駅で演出できれば、アクティブシニア層を中心とした人たちに、道の駅に対する高いロイヤルティーを持たせることが出来るということです。
そこで道の駅が共通項として保証すべきものは、地域らしさ、変化に富んだ旬のコト、モノ、はっと驚く世界、いつもの生活とは切り離された別世界と言えるでしょう。
ではその別世界とは一体何なのか?次号ではもっと掘り下げてゆき、道の駅のブランドコンセプトの核心に迫りたいと思います。
執筆者
未知倶楽部室 室長 賦勺尚樹