道の駅ブランディングについて(その1)
2006年4月7日
道の駅を訪れる人は非常に多いです。大小規模の違いはありますが各駅単位で平均年間100万人は訪問するでしょう。現在の道の駅登録数が830とすると年間延べ利用者数は優に8億人を超えることとなります。大変な人数です。
地方に行くと道の駅とは生活をする上で切っても切れない縁があるところが多いので認知度が非常に高いです。
一方、東京には近々八王子に始めての道の駅が開設される予定ですが、現状一つもないため東京人にはいまひとつ馴染みが薄いです。
私自身、北は北海道から南は九州まで100以上の道の駅を訪れましたが今の道の駅を一言で言い表すのはなかなか困難です。とりわけ道の駅を訪れたことがない東京の人相手には。
道の駅。。。?
・ 国交省が登録認可して市町村が運営しているサービスエリアみたいなもの。
・ 地元の農家の人が新鮮な野菜を持ち寄って販売している市場。
・ 手頃な値段で入浴できる温泉施設。
・ トイレ休憩所。無料駐車場。
・ 地域の博物館のようなものがあるところ。
道の駅が映し出す多様性はその地域の多様性の姿でもあるので決して否定すべきものではありません。
しかし、多様性のなかにも保証性(=約束性)というものの裏付けが無い限りそれは無秩序と変わらないと思います。「保証性」には、提供するモノ、コトに対する質的な保証性と、訪れる前に期待していた‘世界’に浸ることが出来るかどうか、ある種の感覚的な、感性としての保証性、これらの二面があります。
規模、建築様式、販売品、提供サービスが異なっていても「道の駅」という同じ商標(ブランド)を使っている限りにおいてはある種共通な世界がなければ「道の駅」のブランドは維持できません。
それでは「道の駅」が共通事項として利用者に対して保証すべきものは一体何なのか、これについては次号で説明します。
執筆者
未知倶楽部室 室長 賦勺尚樹