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未知倶楽部コラム

最少額の拾得物

2007年01月24日

 未知倶楽部HPの駅長コラム『「道の駅」管理のこぼれ話し』を拝見していた時、妻から電話が・・・「今、警察署から電話があって・・・」との事。とっさに誰かが事故?と思い「どうしたの?」と聞き返すと、「聖二(次男、9歳)が今日、お金を拾って交番に届けたそうで・・・」。

 息子は今日、学校のあと習字教室へ行った帰りにお金を拾ったらしい。それを交番に届け、書類を作成する際に私(親)の名前と電話番号は伝えたそうですが、住所(番地)が解らなく書類が書けないので、その書類を郵送するから住所を記入して返送して欲しいとの連絡だったそうです。

 「ところで、そのお金の金額は?」と聞き直すと、「それが・・・1円なの」 「1円!?」

 「1円で書類を作成して頂き、郵便料金を払っていたら、警察の方にご迷惑を掛けてしまうので、どうしたら良いの? もし、警察の方で知り合いがいたら、ご迷惑が掛からないように対応して・・・」との相談の電話でした。私も仕事柄、警察の方を知らない訳でもないので連絡出来ないこともないのですが、係や担当が違ってしまうとよりご迷惑を掛けてしまうことになるので、妻には「少額であれ、お金を届けて、警察の方もちゃんとした対応をしてくださるのだから、ご迷惑でも言われた通りにしよう」と答えて電話を切りました。

 1円を拾って警察に届ける人はいるでしょうか? まず、1円が落ちていても拾うこと自体少ないと思いますし、今回息子の場合、習字教室から交番へは自宅とは反対方向、距離も2倍程ある場所です。そこへわざわざ届ける大人はまずいないと思います。息子にしてみれば、「お金を拾ったら警察に届けなければいけないもの」と思っており、金額の大小で勝手に判断してしまうことがある私を含めた大人と違い、素直に行動した結果だと思います。

 「価値観の違い」と言ってしまえばそれまでであるが、1円でも1億円でも「お金」には変わらない、1円でも1億円でも「ネコババ」してしまえば窃盗罪です。『「道の駅」管理のこぼれ話し』に記されていたマナーに関する事などは、子供の目線になって素直に皆が行動すれば少しでも改善出来るように思います。

翌日、残念かな事が・・・

 その翌日、事務所を尋ねて来られたお客様が事務所に寄る前に道の駅の外トイレを使用し、その時に財布をトイレに忘れてしまいました。事務所で約30分打合せをした後に気付き、慌ててトイレに行きましたがそこには財布がありませんでした。誰かが持って行ってしまったようです。

 「それでも」と思い、トイレの廻り、ゴミ箱等わ捜索しましたが見つからず、交番へ落とし物の届けを出しましたが、警察からは「届けは無い」との返答でした。忘れ物から、盗難事件になってしまいました。

 その財布の中には、現金はもちろん、運転免許証、クレジットカード等が入っていたそうですが、一番ショックなのは財布本体が奥様からのプレゼントだったことで、「嫁さんに怒られるなぁ」とかなりしょげていました。これ以上、私にはどうすることも出来ませんでした。とても残念な出来事になってしまいました。

 また話は息子の事になりますが、警察から書類が届いたら、子供に書類の意味、手続きを説明し、拾得物の取扱について学習させたいと思います。

管理こぼれ話し・・・

 電源の無断使用。近年キャンピングーカーで旅行される方が多くなりました。私共の駐車場にも週末には何台かキャンピングーカーが夜を明かしております。

 先日、その中の一台から電源コードが、外トイレのコンセントに接続して電源供給していました。もちろん無断使用です。炊飯用に電源が足りなくなり使用したようですが、注意を申し上げると「金額にすれば数円の事だろ、お金を払えばいいだろう」と逆ギレされてしまいました。

 許可を得ず使用すれば明らかに窃盗です。まったく、罪の意識が無い方でした。今、思い返すと、1円を警察に届けた息子の爪のアカでも飲ましてやりたい気分になります。

 以前には、レストランでコーヒーを注文されたお客様が、近くにあるコンセントにパソコンを接続したり、携帯電話の充電に使用された事もあります。こちらも、まったく罪の意識が無い方でした。「少し位なら・・・」という感覚でしょうか?

執筆者

道の駅きりら坂下 支配人 三尾弘成

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