HOME > 未知倶楽部コラム > 東濃視察 「連合化の成果について」

未知倶楽部コラム

東濃視察 「連合化の成果について」

2006年10月12日

私は以前から道の駅の連携、連合化の必要性を唱えております。
各道の駅には魅力がいっぱいありますが、単独でその魅力を出すには 限界があります。近隣の道の駅、ブロック内の道の駅、そして広域の 道の駅同志が結び付くことにより、その魅力は他の道の駅同志が ぶつかり合うなかで大きく発揮できると信じております。

さて、過日(10月5日、6日)一年振りに岐阜県東濃地区を訪れました。

東濃道の駅連合会の丹羽会長(道の駅土岐・美濃焼き街道どんぶり会館) のご案内でどんぶり会館、加子母(かしも)、賤母(しずも) 、きりら坂下、五木の里、 おばあちゃん市山岡を訪れました。ここの連合化は他の地区より早く、2004年 の7月に行なわれ、2年以上が経過しております。

私は常々ここのブロックでの連合化の成否が他のブロックに大きな影響を 与えると考えており、熱い視線を投げかけ続けております。

2日間にわたる視察により、以下の点において同連合は目覚しい成果を発揮 していることが実感出来ました。

@商品交流が定着したこと。
連合化を図れば自分の産品を他の道の駅への 店頭展示販売の機会が増える。客先とのPOC(Point Of Contact) が増えるのだから当然売上は上がる。また、往々にして自分の駅以上 に他の駅での販売が増えている。道の駅の利用者は地域の人が多い。 地域の人は地域の産品を見ても大きな興味を持たないが、他の地域 のものには多大なる興味を持つ。 どんぶり会館では東濃ブロック以外の愛媛県、愛知県(渥美半島)の 道の駅との産品交流を行なっている。内陸の道の駅に海の文化が入り 込む事によりその違和感が新鮮味を感じさせ、それに対して利用者は 思わず手を出して買う。リピーターが多いという話を聞く。

A店員の意識改革が進んでいる。
良い意味での競い合うことを通じて、他者の 視点で自らの行動を見つめ、反省、取り入れ、向上に繋がっている。 2年前にはレジにへばりついていた店員が今は笑顔で迎え、忙しく 店内を動いている。地域産品は一番アイキャッチしやすいところに 陳列するというのは原理鉄則だが、店員自身が心から地域への誇り、自分へ の誇りを持てるようになったために自然と出来る様になっている。


これらはある意味で小さな変化です。続けて見て来た人でないとなかなか 気が付かないかもしれません。しかし、2年間見続けてきた私には良く分かります。

何か新しい考えを取り入れば直ぐ商売に直結すると思い込む人が多いですが 永続的な繁栄は小さなことをコツコツ積み重ねることによりもたらされます。

現在至る所で連合連携化の動きの話を聞きます。組織をどうするか、運営を どうするか等、運営主体、駅長のお立場の違い等でなかなか最初の一歩が踏み 出せないという話を耳にします。

私はこう思います。

会合等で立場の違いを主張しあっても永遠に解決はしません。それより一緒に 出来ることは何か、それを考えれば必ずある筈です。ちょっとした商品交流なら 誰でも参加出来ます。それと、どれだけ議論しても一緒にやりたくない道の駅は 必ず出てきます。比較的成功している道の駅に多いです。東濃道の駅連合会には 10の道の駅が属していますが、未だに各道の駅で取組み姿勢の面で温度差は あります。その場合には、温度差があると言って、温度の冷たいところに合わせる のではなく、ホットなところに合わせれば良いのです。一緒にやりたくない人への 過度な配慮は不要だと思います。

それと最も大切なこと。

それは自分達ご自身の問題(ご自分の地域の問題)だという意識を持つことです。 自分が正しいと思ってやると決めたら、先ずその人は皆がやりたくない一番大変な 仕事を率先して引き受けることが大切です。そうすれば必ず他の人も動きます。

東濃連合の丹羽会長は正にそのような方です。事務局の仕事から各道の駅への 定期視察等を自分のこととして愚痴一つ言わずやり続けておられます。そのような 私利私欲なく、勇気を持って引っ張るリーダーの存在は連合、連携には不可欠 だと思います。

是非、勇気を持って、第一歩を踏み出して欲しいと思っております。必ず誰かが ついて来ます。未知倶楽部は一生懸命がんばっている道の駅を応援をします。


道の駅 おばあちゃん市・山岡にて

中秋の名月のときに訪れ、月見茶会に飛び入り参加しました。 来店されたお客様全員にお月見団子とお抹茶が振舞われました。

右から
土岐美濃焼街道どんぶり会館の丹羽さん
おばあちゃん市山岡の後藤さん
左は偶然来店されていたご夫妻

手前は私です。


執筆者

未知倶楽部室 室長 賦勺尚樹

リンク

ページTOP