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未知倶楽部コラム

『道の駅の、その先 〜丹羽さんの視点〜』 (第8回 「これからの道の駅」)

2011年04月06日

道の駅は地域の核として、地域振興を目的としています。大規模な道の駅はともすれば単独でお客さまを囲い込み、エリアの経済活性化を損なうこともあります。質を求める現代の消費者は、中途半端なサービスを嫌います。大きな道の駅ほどショッピングセンターと同じ接客になり、クレームが起きやすくなります。なぜなら、一元的な接客は道の駅のコンセプトと相反しているからです。

「これからの道の駅」を考えてみましょう。

結論は「着地型観光」を推進し、そのキーステーションとなることです。質を伴った新しい形の旅行の伴走者となることです。生きた情報こそが鍵で、あえて言えば、立派なレストランや販売所は必要ありません。「駐車場」「常時使用可のトイレ」「案内人」の基本3要素がそろっていれば十分です。

道の駅が水先案内人になることです。地域を楽しみ、地域の人々と話し、地域でしか手に入らない物や事を来訪者に堪能していただきます。林業・農業・木工などの体験、名匠訪問、伝統芸能・お祭りへの参加、キャンプ場、ハイキングルート、宿泊先の案内やコーディネートが大切な仕事となります。

それがうまく回り出すと、各現場で自然に雇用が促進されます。多目的端末や機動的なネットワークも必要となり、高齢者のみならず若者の雇用も生まれます。道の駅を核として、いわば町の駅・山の駅・海の駅・川の駅・畑の駅など、各ポイントとの共助ネットワークが構築されていきます。これが本来の地域振興であり、これからの動的な道の駅の姿ではないかと思うのです。

(全8回)


(岐阜新聞連載コラム「素描」より転載・改題<平成22年12月25日掲載分>)
執筆者

道の駅 土岐美濃焼街道どんぶり会館 駅長 丹羽正孝

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