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未知倶楽部コラム

『道の駅の、その先 〜丹羽さんの視点〜』 (第5回 「道の駅の課題」)

2011年02月28日

道の駅では地元農産品が多く売られています。地元の人々が思い入れとこだわりをもって作った逸品です。見栄えが悪いだけの良品もあり、地域の経済にも貢献しています。日々数百円の収入でも、高齢者には大切な生きがいです。

しかし、生産者の高齢化と廃業、後継者不足による入荷減少が、道の駅の大きな課題として迫っています。また、岐阜県は山国であり、12月以降の約4ヶ月は路地野菜の入荷がなく、この間は売り上げに苦慮します。さらに、二等品の農産物が今期より大量にスーパーなどで販売され、道の駅での価格の魅力が薄らぎつつあります。

では、どうすべきか。

「小労力・高単価」の作付け指導を早急に手掛けることです。飽食の時代ですが、全国には珍しい農産品がまだたくさんあります。地元の人しか食べないもの、量産しないから大手食品商社の網に掛からないものなど、独自の魅力と希少性をもった産品。こうしたものをお客様に提供することです。

空いた冬場の野菜売り場をそのままにしておいてはもったいない。頑張る駅長は、他の道の駅と連携・交流を図り、春の早い地方の道の駅から仕入れ、棚を埋め、地元の路地物を後日先方に送る、といった取り組みをします。道の駅だからできる手法です。

道の駅同士の産品交流は、地元の人々に新しい発見と関心を提供し、ほかならぬ地元来駅者を自然に増やします。昔の街道の宿場町のように、道の駅が「たまり場」になります。浮くか沈むか、采配は駅長次第。そのポイントは「地元客5割」の確保だと考えます。

(全8回 毎週更新)


(岐阜新聞連載コラム「素描」より転載・改題<平成22年12月4日掲載分>)

執筆者

道の駅 土岐美濃焼街道どんぶり会館 駅長 丹羽正孝

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