HOME > 未知倶楽部コラム > 『道の駅の、その先 〜丹羽さんの視点〜』 (第4回 「愛される道の駅に」)

未知倶楽部コラム

『道の駅の、その先 〜丹羽さんの視点〜』 (第4回 「愛される道の駅に」)

2011年02月22日

陶器は、見て、触れて確かめてから、買っていただける商品です。

どんぶり会館運営母体の「とき窯元共販協同組合」は土岐市の窯元122社で組織され、組合員の陶器のみ産地価格で販売しています。見ていただく機会を増やすため、全国各地の道の駅でも販売していただき、当会館側でも、私自身が先方で確かめ、気に入った産品を紹介販売しています。

産品とは、近隣のスーパーなどの商品と違い、土地土地の風土や文化が表れた物です。魅力と固有性が十分にあれば最高品といえます(青森から鹿児島までの約40駅と産品交流中)。

なぜ、どんぶり会館に他地域の産品が置いてあるかと尋ねられます。今までの道の駅は、地元産品しか販売しなかったからです。道の駅が街道文化の交流拠点として栄えるためには、東西南北のさまざまな情報が集まり、地元の人々も含め、楽しめる施設であることが必要です。売場だけでなく「すごし場」としても、喜びと発見を提供することが大切です。

全国の道の駅との交流視察は、例えば青森まで1050キロ、鹿児島まで1075キロと大変な距離ですが、喜んでいただける糧があるのでハンドルを握って行きます。

数年前、愛媛に実家のある女性が古里の産品を前にして涙ぐんでみえました。女性は親の不幸に際しても、事情があって帰省することができなかったそうです。今、目の前に古里の物があり、とても感動しています、と。

いつも何かをしている道の駅、地元の人々に愛される道の駅、「また来よう」と思っていただける道の駅になれるよう、毎日が勉強中です。

(全8回 毎週更新)


(岐阜新聞連載コラム「素描」より転載・改題<平成22年11月27日掲載分>)

執筆者

道の駅 土岐美濃焼街道どんぶり会館 駅長 丹羽正孝

リンク

ページTOP