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未知倶楽部コラム

いつもの春

2009年04月28日

サロマ湖2009春
写真は4月撮影(サロマ湖の夕日・ふきのとう・ネコヤナギ・アズマイチゲ)
「いつもと違う冬」は過ぎ、オホーツクにも「いつもの春」がやってきます。暖冬と言われたこの冬、流氷が顔を見せたのは1ヶ月にも満たない短期間ですし、「東京ドーム3,300個分の大氷原」となるはずのサロマ湖は全面結氷しませんでした。

この30年で気候は大きく変わっています。データではなく自身の体で実感した変化です。山間地の真冬の気温は10度ほど上昇していますし、サラサラ雪が当然だった当地域でも湿った重い雪が降るようになりました。言い方を変えると「北海道が東北or北関東になった」ようなものです。そのうちに収穫される野菜や穀物にも変化が現れてくるでしょう。

この冬は「寒さ」は和らいだものの「不況風」の冷たさは身(経営)にこたえました。戦後最長と言われた好景気を実感できなかった北海道にも原油高と金融危機・・・(好景気は追いつく前に終息し、不景気は即刻伝わるのが北海道です)もともと経営基盤の弱い産業が多いこともあり、消費抑制への動きは素早いようです。

「道の駅」前の国道を通る車が急速に減り、来館者数が減り、売上はそれ以上に減少。トイレと休憩だけの人が目立ち始め、財布の紐は「堅結び」になったようです。

季節のサイクルは多少ずれがあっても確実に巡ってきます。
山野草はいつもより少し早めに芽を出し花を付けましたが、足踏みもします。4月26日から雪となり、緑を取り戻しつつあった山も平地も真っ白になりました。まさかこの時期に除雪に追われるとは・・・(40cm近い積雪でした)

季節は巡り「いつもの春」はやって来ますが、人間の営みにより起きた「不況風」はいつまで吹き荒れるのか先が読めません。「全治3年」と言われた今回の不況、体力の無い企業や人は3年間耐えられるのか・・・

北海道のドライバーは雪が融け路面が乾き、タイヤを夏用に交換した時に春を感じます。その時期が正に4月末なのです。ガソリン価格が落ち着いていることを考えれば昨年より車が増えることを期待しているのですが「堅結びの財布の紐」は解けますかどうか?

高速料金が安くなってもあまり恩恵を実感できないのも北海道でしょう。「東北6県+新潟県」の広さがあっても高速道路は僅かです。(特に必要性も感じませんが)車が必需品で、走る距離も長い北海道のドライバーは揮発油税や自動車関連税も多額に負担をしているはずですが、はたしてその見返り度合いは如何なものか???

北海道の広い大地と澄んだ空気は疲れを癒してくれます。
せめてぶらっとドライブに出掛けられるくらいに心の余裕が持てたらいいですね。

道の駅&物産館として町内及び周辺地域の特産品を充実して利用者を迎えます。
天井の照明も省エネタイプでありながらより明るいものに変えました。半年足らずのオンシーズンですが、冬ごもりからの再出発となる季節です。

今年も「いつもの春、いつもの夏」になることを願って止みません。
執筆者

道の駅サロマ湖(北海道) 駅長 杉本武雄

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