未知倶楽部コラム

電話帳

2008年09月17日

サンゴソウ
湿地帯キムアネップの サンゴソウ
道の駅には24時間利用できる「公衆電話」の設置が基本です。
テレフォンカードが普及したときは、ご当地カードがお土産にもなりました。
そして今は携帯電話の時代。「携帯情報端末」のレベルにまで進化しています。
我が道の駅には公衆電話は1台しかありませんし、最近は利用者も稀です。公衆電話機からはほんの少ししか硬貨も回収されなくなりました。しかし携帯電話を持たない人・使わない人も少なからず存在します。公的役割を考えればまだ撤去することはできません。

 さて、公衆電話の下に置いてある電話帳はどうでしょうか?
携帯電話には膨大な情報を記録できますから、通常の連絡には困りません。
登録していない番号を探すにはどうするでしょうか。企業や店舗の電話番号はインターネット(Iモード)を駆使すればほとんどOKでしょう。しかしインターネットとは無縁の人達も少なくありません。個人名は最近電話帳に記載しない人が増えているため、あまり役に立たなくなっています。
固定電話を設置していればタウンページとハローページは配布されますが、存在を忘れるほどめったに使わなくなりました。道の駅では公衆電話用と事務所用にそれぞれ置いていますが、職業別タウンページが稀に使われる程度でしょう。「たぶん」の話しですが一部の電話帳活用企業を除けば「どこかにあったはず」的なものになっているでしょう。

その電話帳もどんどん変化をしており、久しぶりに手に取ると「あれっ」と思うこともあります。恥ずかしながらタウンページが「デイリー」と「ビジネス」に分冊されたのも知りませんでした。(私には使いにくくなったように思えますが)ハローページも地域ごとに細かく分冊されたため、隣町の電話がさがせない・・・という事態も。近い将来には発行されなくなるのかもしれませんね。

 私が「道の駅」で仕事をし始めたときに電話帳を調べていて「不思議」を発見しました。
この管内の「道の駅」が電話帳に掲載されていません。念のため職業別タウンページも調べてみましたが、こちらの産業分類には「道の駅」の項目すらありませんでした。(最新版では「ドライブイン・道の駅」として項目が出来ています)道の駅サロマ湖には「物産館みのり」という別の顔があります。タウンページに「みやげ品」の項目はありましたが、私どもの施設は載っていませんでした。(要望しなければ掲載されませんので)

道の駅は当時この管内で13駅(現在18駅)ありましたが、「道の駅名」での電話帳記載はゼロでした。
ほとんどが市町村役場(官公庁)の部門や関連施設として記載されていました。運営形態は直営や三セク、民間委託と様々ですが「所有者・管理者」が自治体だから・・・のようです。

 実は私自身がこの仕事に就く前に番号調べで困ったことがあります。ある道の駅に忘れ物をしたため電話をしようとしましたが、あいにくと電話番号が記載されたものは持っていないので、番号案内に問合せしたところ「登録無し、わかりません」でした。やむなく管轄の役場の代表電話を教えてもらい、道の駅の番号を訊き、ようやく電話ができた次第です。(当時は携帯でのWeb利用も不可)

 電話帳は地区毎に分冊となっているので他の地区は調べたことはありませんが、
例えば北海道104駅のうち「道の駅」で電話帳から探せる駅はいくつあるのでしょう。(道の駅サロマ湖はその後『道の駅名・物産館名・運営会社名』のそれぞれを掲載しています)
現在、オホーツク圏では当駅の他に2駅(1町)だけが「道の駅」として掲載しています。
利用者からの声がなかったのか、伝わらなかったのか、必要が無かったのかは不明ですが、利用者目線で考えられていない典型であろうと感じた次第です。もっとも、どこかの道の駅に行けば全国の駅の電話番号くらいはすぐ調べてくれますが。

 もしかすると全国でも同様なことになっているのかもしれませんね。道の駅管理者の皆様も、利用者目線でチェックしてみましょう。自分で自分の勤務先を調べることが無いだけに意外と気付かないものです。電話帳の利用が減っているとは言え、急に調べる必要に迫られる人もいるものです。

「困っている人・迷っている人」が少しでも早く解決できるよう考えてあげましょう。
道の駅は「サービス業」ですから。
執筆者

北海道:道の駅サロマ湖 杉本武雄

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