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未知倶楽部コラム

第5回? 椛の湖そばの花祭り

2007年10月03日

きりら坂下 気球そば畑
 
第4回「椛の湖そばの花祭り2007」が9月22日、23日の二日間開催しました。

椛(はな)の湖公園そば畑でそばを栽培して今年で14年になります。

この場所は、以前はヒノキの育苗畑(苗圃)でした。

苗圃全体の面積は約15haで営林署(現在、森林管理署)の所有、管轄でしたが、林業の衰退と伴にこれだけ広い苗圃の必要性が無くなり、坂下町(現在、中津川市)に払い下げを受け、環境もいいことから大学の誘致、国保坂下病院の移転先等の構想がありましたが、大きなプロジェクトになり多額の資金も必要でなかなか話が進まず、取りあえず荒地になるところでしたが、「草を生やすぐらいなら、そばを蒔け」との一言で、雑草対策でそばを蒔いたのが始まりです。

きりら坂下 かけそば販売
道の駅「きりら坂下」
雑草対策で蒔いたそばですが、その後は実になります。
せっかくのそばだから、「そばで町おこし」と考え、交流促進施設「きりら坂下」を建設し、その後、「道の駅きりら坂下」になりました。
そして、「椛の湖そばの花まつり」は今年で4回目になります。
そばを生産し14年、道の駅きりら坂下が出来て9年です。



「そばの花まつり」は当初から開催された訳ではありません。

坂下の観光資源としては、1970年代に「全国フォークジャンボリー」が開催された「椛の湖」のみで、春の桜、夏のキャンプシーズン、秋の紅葉だけで観光、交流人口が減少していました。

私も椛の湖そば畑の事は、この施設に勤めるまではまったく知りませんでした。

観光資源の少ない坂下地域において、1ヶ所の作付け面積では岐阜県下最大規模ということを知り、またその場所の居心地の良いこと、素晴らしい事を体験して、少しでも多くの皆様に知って頂きたいと思いました。

観光、交流人口の増加には何かイベントを行いたいと思っていましたが、当時の坂下町では秋には伝統の「花馬祭り」、町の大きなイベント「産業祭」が開催されていた為、そばの花まつり等行う必要が無いとの考えでした。

しかし、今後の地域の事を考えると、新たな観光資源として「椛の湖自然公園そば畑」を位置づけたいと思い何かしらのイベントを行いたいと思っておりました。

しかし、そこには費用も人員も必要です。

取りあえず費用の掛からないよう、そばの花の奇麗なこの時期に管理棟を利用してフラワーアレンジメントや、そば打ち体験を行いましたが、それだけでは一部の方にしか利用して頂けません。そんな思いを地元の知人に話したところ、その知合いの落語家さんを呼んで、落語会を開催しようということになりました。

もちろん、その為には費用が必要です。

ある程度試算し、当施設で負担する事にしました。

話題性もあった為、テレビの生中継をそば畑から行ったり、ラジオ、新聞等メディアでイベント告知をして頂きました。

しかし、落語会自体は大赤字で試算以上の費用負担になってしまいましたが、各メディアで椛の湖自然公園そば畑を多くの皆様に知って頂き、そばの花を見に来て頂いたお客様は例年より確実に増え、私共施設への来客数も伸びました。

その後、この費用の支出に関して、当初より増え私の独断で処理し会社に損害を与えたとの事で役員会より減給処分を受けました。

イベント単独で見れば損失、損害を与えたかも知れませんが、確実に来客数も売上も伸びているので、方法は間違っていたかもしれないが会社には損害を与えていませんでした。

何か話題性がない限り、メディアの取材を受ける事はないと思いますが、落語会を開催しなくてもテレビ等のメディアの取材は来たはずであるとの事でした。

自分自身、納得がいかないモヤモヤ気分が残りました。

多くの皆様に椛の湖自然公園そば畑を知ってい頂き、そばの花を見に来て頂き、そばの花を見に来て頂いたお客様は、その後の「新そば」の時期にまた来て頂けます。

確実に観光、交流人口は増加します。

その翌年、岐阜県のイベントに関係する部署の方とお話する機会があり、椛の湖自然公園そば畑の事を熱く語りました。

その年の8月、翌年に予定されている「花フェスタ記念事業」のプレイベントとして「何かイベントをやらないか?」との岐阜県の提案で、急遽「そばの花祭り」を行うことになり、1ヶ月余りで十分な準備も出来ませんでしたが、岐阜県の協力もあり沢山の皆様に来て頂き、また地元でも、椛の湖自然公園のそば畑が認知されました。

これが、第1回目の「そばの花祭り」です。(しかし、モヤモヤ気分の私の中では、「第2回そばの花祭り」です。)

結果、1回目が好評で坂下観光協会の年間事業に組み入れられて2回、3回と続きました。

そして、今年で第4回目、そばの花祭りでは、「気球に乗れる」ということが定着し、今年は、昨年以上の問い合わせが殺到しました。

メインイベントが、この気球体験ですが、何せ気球は天候に大きく左右され、特に横風には弱く、例年期待通りに上がりません。

昨年は、混雑を避ける為2ヶ所で上げましたが、新設場所が風の吹く向きが悪く思うように上がらなかったので、今年はまた1基だけ上げました。

上げる時間も、どうしても午後からは横風が吹いてしまいますので9時から13時と短めの時間です。皆さん、1時間以上待って乗って頂きました。

その他では、特産品の販売、クラフト・木工体験を開催しました。


きりら 気球そば畑2
そば畑と気球の贅沢な空間
なかには、「もう少し、イベント性の高いものが欲しい」との意見もありました。
確かに、イベント性は低いかも知れませんが、そばの花を楽しむ、その空間を楽しむことが大切だと思うので歩いて、見てそば畑の空間を楽しんで頂くだけで十分だと思います。
椛の湖自然公園そば畑では、その環境を楽しんで頂きたいです。
本年は、暑い日が続き、例年より湿度の多い天候ですが、ここ数日はやっと秋らしくなって、そばは順調に育っています。

11月の「新そば」が楽しみです。



きりら坂下 ゴミ分別
坂下中学校の皆さん
最後になりましたが...

今年一番良かったこと、今年は初めて地元の坂下中学校にお願いしてボランティア参加して頂きました。
会場の案内、ゴミの分別等に嫌がる事もなく積極的に汗を流して頂きました。
特に、ゴミの分別処理については、人の目がある事で完璧に近いゴミ処理が出来ました。地域の皆様の支え、今回の坂下中学校の皆様には大変感謝致します。
有難う御座いました。

執筆者

道の駅きりら坂下 支配人 三尾弘成

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