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未知倶楽部コラム

継続こそが力なり ‘天気現況に寄せて’

2007年06月29日

我々未知倶楽部は当HPにご掲載そして情報を発信頂いている道の駅の皆様のお陰でが成り立っていることは改めて申し上げるまでもないことです。

情報発信を頂いております道の駅の方々のコンテンツにつきましてはサイトの運営責任者として毎日つぶさに 読ませて頂いております。

そのなかで最近私は頭が下がる思いをしている道の駅があります。

兵庫県朝来町の道の駅あさご、青森県の道の駅浅虫温泉ゆ〜さ浅虫、秋田県の道の駅しょうわ
それと北海道の道の駅コスモール大樹です。

以前、岐阜県の道の駅を訪れた時に道の駅土岐美濃焼き 街道どんぶり会館の丹羽駅長よりこんな話を伺いました。

 「我々のような地域は天気に左右されるのではなくて天気予報に左右されるんですよ。。」

その意味が理解できなかった私に、丹羽さんより。。

「テレビで天気予報があるよね。中部地方なら名古屋がステーションとなって岐阜県の東濃地区の天気予報が出されるよね。でもあれ時々間違うんだよ。こちらは曇りなのに雨とか出されたり、雪が止んで晴れているのに大雪とか出されると、それだけで客足が遠のくんだよ。」

そんな話を聞き、うーんと頷いてから数ヵ月後のある日。

兵庫県朝来町道の駅あさごの黒川駅長より当室員宛に電話が入りました。

「未知倶楽部の方、ご存知かしら。私は毎日駅長メッセージの下の欄に今日の天気を書いているのよ。折角、お見えになるお客様に少しでもゆっくりと気分良くこちらで休んでもらいたいし。こちらが雨なら雨具が必要とか、紫外線が強い日にはちょっとした帽子や日傘をご準備いただくとか。。」

その話を聞いて、私は赤面。駅長メッセージを毎日書き換えるような大変な作業をされていることを知らずにいたからです。そして同時にあの時のどんぶり会館の丹羽駅長の言葉を思い出したのです。

‘おもてなしの精神’とは誰でも使う言葉です。お客様の立場に立って何をして差し上げることが出来るかを考え、そして行為として示すことです。目の前に現われているお客様にそれを示すことは普通の行為です。しかし、現われる前、つまりお越しになる前のお客様、それも本当にお越しになるか分からないお客様にまで‘おもてなしの精神’を発揮することはなかなか出来ません。

常々考えております。ビジネスにとって最も大切なことはたとえ小さいことでも 相手の為に地道にそして継続して行なうことだと。

合理化、効率化は有用と無駄を機械的に峻別して、その定義も不明瞭 なまま、無駄とおぼしきものを排除することであり、今どこの企業、役場でも やっきになって行なっています。

商取引ではさながら、‘金持ちに絞って高い商品を売ろう、手っ取り早く利益を だそう’、という具合に。

でも果たして、今金持ちとおぼしき人が将来そうなのか、今上げている 利益の源泉(モデル)がそのまま続くのか?そんなことはあり得ません。 別の表現を使うとEmerging Market(表出している市場)は、Pre-Emerging  Market(表出する前の市場)に必然的に駆逐されるのが理(ことわり)であると いうことです。新たな市場が見え難く、捉えがたい為に経済は常に不安定であり、且つ奥が深いのです。

そこで理解すべきことは、皆にとって納得性のありそうな‘合理化’とか‘効率性の追求’のような薄っぺらなマーケテ ィング用語なり経営用語に安易に支配されるのではなく、本当に自分の信じたことを愚直にもやりつづける 姿勢が価値を持つものだということです。

今日の天気(=天気現況)を毎日お忙しいなかで、絶え間なくご連絡 して下さる4駅の方は、今この瞬間その行為が大きな集客となって報われないかもしれません。しかし いずれの日か、必ず心の綺麗な素晴らしいお客様に恵まれるものと信じております。

継続こそが力なり。一日一ミリでも進み、一ミリであっても退却はするな。
というの が私のモットーでもあります。

是非、全ての道の駅の方々にもそのような気持でおもてなしの精神を発揮して 頂きたいと思います。


天気現況をご掲載いただいている道の駅の皆様
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執筆者

未知倶楽部室 室長 賦勺尚樹

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